【体験談】予想外の厳しさだった!大学付属英語学校での認定留学

Anri Yamaguchiさん 2024年7月26日

「外国語大学だし、留学には興味がある。」「英語を身につけて、それを活かせる就職ができたらな。」という力の入りすぎない気持ちで決めた留学。

大学で単位を認めてもらうには大学付属校で学ぶ必要があったことから、マッコーリーユニバーシティ・カレッジの英語学校に留学を決めましたが、「みんなで楽しく英語を学ぶのだろう」という予想とは大きく違った留学となったAnriさんのストーリーをご紹介します。

「今までの人生で一番の冒険」となった半年間の留学では、様々な経験を経て、帰国時には英語力だけでなく自信もつき、就活に向けてやってみたいことも見えてきたそうです。


すごく具体的な目標は決まっていないけれど、「新しい環境に飛び込み、頑張った先に何かを得られる経験をしてみたい」という大学生のみなさんに、是非読んでもらいたい体験談です。

留学をしようと思ったきっかけ

✳︎きっかけは友達の留学宣言だった

留学については、もともと強い気持ちがあったわけではなく、「海外も旅行も好き」「旅行ではなく海外に住んでみたい」「英語を話せるようになったら、就職でも活かせたらいいな」というくらいだったので、なかなか実行をするまでではありませんでした。ただ、仲の良いお友達が「留学に行く」という話を聞いたときに、「自分も海外で生活をしてみたい!」と思って留学について調べ始めました。

私の通っていた大学は大学付属の英語学校であれば、休学をしなくても単位を認めてくれるということだったので、大学付属英語学校に半年間の認定留学をしようと決めました。



マッコーリー大学の付属に決めたのは、シドニーの大学の中で「大学の付属で大学のキャンパス内にある英語学校」となるとマッコーリーのみだったので、学校選びではそれほど困ることはありませんでした。

当時の自分の英語力は中級(IELTS 5.5)程度。ただ、外国語大学と言ってもみんな書くことが得意な人が多かったので、英語が話せる人が周りにたくさんいたわけではありませんでしたし、自分もすごく英語が話せたわけではかったです。


オーストラリアに到着したときはどんな気持ちでしたか?

✳︎到着後に次々と起こる「予想外」。スムーズに友達ができない中、気持ちが落ち込むことも・・・

実は「ワクワクする」といった気分ではなく、想像していなかったことが沢山おきて、最初の1ヶ月くらいは本当に大変でした。

まず、到着の飛行機が遅延してしまったことから、空港のお迎えの方がなかなか見つからず、日本で買ってきていた携帯のSIMも不具合で電話も使えず、到着後からかなり焦りました。結局、お迎えの方を1時間ぐらい空港で探しましたが見つからず、最終的には空港のインフォメーションの方に助けを求めて、ミーティング ポイントにある公衆電話からお迎えの方に電話をし、なんとか落ち合うことができました。

そして、ようやくホスト宅に到着、ホストが携帯ショップに連れて行ってくれたので携帯が繋がりホット一息したものの、ホームステイは日本とは違う生活のルールがたくさんあったのでそれを覚えたり、週明け学校に行くときには、日本では困ったこともないバスの乗り方でさえ違っていたので、とにかく日本とは勝手の違うことが多くて戸惑いました。

更に、初日から予想外の事が続いて疲れていたので「学校に行ったら日本人に会えるだろう」と期待していましたが、初日は学校に日本人学生がいませんでした。「大丈夫かな?」と少し不安に思いながらのクラススタートだったのですが、クラスメートの自己紹介が始まり、みんながペラペラとスムーズに話していくのを聞き、初日から挫折気分でした。

​​日本で準備をしていたときは、留学生活についてざっくりとしか調べていなかったので、「英語は少し大変かもしれないけど、オーストラリアの生活は日本と同じようだろうから、英語ができなくてもおおよそ問題ないだろう」「学校に行ったらある程度日本人もいるだろうし、クラスではみんなでワイワイ楽しみながら英会話レッスンをするのかな」というイメージをしていました。

しかし現実は「到着したら空港でドライバーとはうまく出会えない」「携帯は繋がらない」「ホームステイでは覚えないといけないルールがたくさんある」「日常生活も日本と違うことがたくさんある」「学校にも日本人がいない」「クラスメートのレベルが高い」とスタートは「予想とのギャップ」で常に気を休めることができず、最初の1ヶ月は慣れるのにいっぱいいっぱいでした。



「楽しいかも?!」と思い始めたのは、1ヶ月を超えてからですね。クラスメートはみんな進学でかなり勉強をしていたため、あまり遊んでいる人はいませんでしたが、ホームステイのハウスメイトや同じ境遇の休学できている学生さんと出会ってから、週末に観光などで出かけるようになり、楽しくなってきました。


大学付属の英語コースではどんな勉強をしましたか?

✳︎考えたことのないテーマでディスカッションが行われる進学英語

マッコーリーの大学付属英語学校では、一般英語と進学英語(アカデミック)のクラスがあります。

一般英語はみんなと協力して問題を解いたり、みんなで話したりして、楽しみながら英語の4技能を身につけるという感じでした。一般的にイメージする「海外の英語学校の授業」という感じです。

しかし、アカデミックのクラスは大きく違いました。ここでは、エッセイの書き方、プレゼンテーションのやり方を学びます。更に、アカデミックは大学向けの内容になるので、トピックが難しく、更に量がありスピードが早いです。

スキルとしては4技能を均等にやることになっていますが、多いのはライティングとスピーキング。スピーキングはプレゼンテーションもやりますが、グループでディスカッションするのが基本です。ほぼ毎日あり、一日で4つくらいテーマがあるので、それを3−4人のグループで5分ずつディスカッションをしていきます。

グループ内で意見交換をしていくのですが、先生はグループを回り「今のいいね」とか、「もう一度言ってみて」など声をかけてくれます。このディスカッションでは、トピックによって意見が思いつかないことや言い方がわからないこともあり、言葉に詰まってしまうとすぐに次の人が話し始めたりするので、緊張感がありました。

あるプレゼンテーションでは「安楽死は法律で定めるべきかどうか?」というテーマで、パートナーとプレゼンテーションをやりました。賛成・反対を決めてやるのですが、リサーチもしっかりした論文などをしらべて、自分なりに内容を言い換えて発表しなくてはならないので、最初は「どうやってやるの?!」と本当に焦りました。ただ、パートナーがリードをしてくれたので、必死についていき、なんとか乗り切りました。

プレゼンテーションやディスカッションのクラスは、いろいろな意味でインパクトがあったので、どれも印象に残っています。



ホームステイ先に私立の英語学校に通っている学生さんがいたのですが、勉強内容を比べて彼女も違いにびっくりしていました。

テストについては、大きいテストというわけではなかったですが、5週目の月曜日にリスニング・リーディング・ライティングのテスト、プレゼンテーションは4週目に発表がありました。
リスニング・リーディングは対策のしようがないテストで、ライティング(300Wordsのエッセイ) は最初にトピックをもらい5分間だけ考えて、その後書くタイプのものでした。


他の学生のように「大学進学」という目標がないなか、厳しい英語コースについていけた理由は何だと思いますか?

✳︎進学英語を乗り切れたのは、負けず嫌いの性格と毎日の地道な努力

負けずぎらいだからですかね?笑
エッセイの書き方がわからないのにクラスでやらないといけないとなった時、授業中は全然できないので、家に帰ってから書き方など「わからないことを調べ(授業でできなかったものを)再度書きなおしてみる」ということをやっていました。また、私はわからないのに、自分と同じぐらいの英語力の学生ができていたり「わかる」と言われると悔しいので、帰宅後頑張って調べたり対策をしたりしてました。笑

その他にも、家でしっかり勉強しておかないとついていけるか心配だったので、毎日の宿題はもちろん、テスト前に自分で予想した内容でのテスト対策などをしたりしていました。例えば、今まで授業で扱ったトピックで再度エッセイを書いてみたり、使いそうな単語を頭に入れておく、エッセイの構成を考えるなどです。アカデミックのクラスでは、とにかくアカデミックな表現を使わないと点数が引かれてしまうのですが、日本の大学でもやったことがなかったので、覚えるのは本当に大変でした。




終わってみてマッコーリーの英語コースはどうでしたか?

✳︎厳しかった授業。でも間違いなく英語力はアップ!

マッコーリーでも一般英語のままだったら、レベルが上っても楽しいクラスだったのかもしれませんが、大学付属はレベルが上がると自動的にアカデミックになってしまう点が、 一般の語学学校とは大きく違う点だと思います。

楽しく英語を喋っていくというスタイルではなかったけれど、結果として進学英語コースでライティングスキルだけでなく、スピーキング力も上がったのは、あの毎日のディスカッションだったと思います。とにかく単語 もテーマも難しかったですが、半年間でスピーキングはかなり上がったと感じます。



クラスメートは少し年上で、韓国、中国、中東の方が多く、進学する人が殆どだったこともあり、クラスメートとご飯に行ったり遊びに行くこともありましたが、週末は日本人のお友達と出かけることが多かったです。ただ、クラスにも大学にもほとんど日本人がおらず、英語しか喋れない環境のほうが圧倒的に多かったので、英語力を上げるという意味ではいい環境だったと思います。

私立の英語学校のことも聞いたりしましたが、大学付属に行く学生はみんな時間通りに来て、時間通りにクラスがスタートするので、遅刻をする人はほとんどいないない真面目な環境だったのも良かったと思います。


先生や学校サポートは利用しましたか?



先生はいろいろなタイプの先生がいました。タームごと1−2人の先生に習っていましたが、様々なバックグラウンドの先生がいて、厳しさも違いました。ただ、多くの先生はいろいろな国での教授経験があり、日本に興味のある先生も多かったので、その点では親しみやすかったです。

私は自分で調べて勉強をする事が多かったので、あまり多くの質問をしに行くことはなかったですが、学校でサポートはたくさん提供してくれていたので、いつでも相談に行くことはできました。

ラーニングハブに行ったらいるので、わからないところがあれば予約をして一対一で教えてもらえるのは良いサポートだと思います。


留学をしてみてどうでしたか?



インスタやYouTubeでは生活が大変だと言われていることがなかったですが、本当の留学は全然日本の生活と一緒ではなく、ものすごく予想外の大変なものでした。行くまでは大変なんて想像もしていませんでした。笑

一番大変だったのはやはり英語です。何かあっても絶対に英語で伝えなくてはいけないし、思ってることも簡単に言えない。それが一番大変でした。それ以外にも、初めて家族や友達から離れてきたので、全て自分でやらないといけない。何かを買うのにも、何かをやるにもどうやってやるのかわからないことが多かったので、最初は生活するのも大変でした。

ただ、英語も生活も「調べて、やってみて」を繰り返していったら、どんどん慣れてできるようになり自信もついたので、最終的に本当に留学に来てよかったと思っています。

オーストラリアの人はみんな優しくて、すれ違った時に ニコッとしてくれたりするのは本当にいいなと思ってました。困っていると近寄ってきて「どうしたの」って助けてくれたり、バスに乗った時に挨拶してくれたり、とてもフレンドリーです。日本ではこんなことはないので、みんな暖かくていいな、オーストラリアに来て良かったと思いました。


休学留学をしようと思ってる方へのアドバイスはありますか?



行くか迷っているのであれば行った方がいいです! 日本にいたら絶対にできない経験をするチャンスです。他国の価値観など、日本にいたら絶対知らなかったことを知るチャンスがあります。例えば、日本にいたらサウジアラビアの医療費について調べることは恐らくないと思いますが、毎日の生活の中に様々なバックグラウンドの人がいることで、自然と知るチャンスがあります。

日本にはない、様々なことに触れ知識が増えることや、英語で生活や世界の人たちと交流をしていけるようになることで、自分の中の大きな自信にもなります。日本という枠から出て、考えたこともなかったことや違う常識を知ることで、刺激を受け視野も広がり日本の良いところもたくさん見えてきます。

初めて家族も友達もいない新しいところで、自分の力で自分の生活を作っていけたことによって、「自分に自信がついた」ということが留学の最大の利点だったと思います。


日本でこの留学経験をどう生かしたいですか?



日本に帰ったら見える世界が変わってると思います。英語で話すことが楽しくなり自信がついたので、「日本でももっと英語で話してみよう」という気持ちになりました。

就職も英語を使ってコミュニケーションができる仕事に興味が出てきたので、まずは英語を使ったアルバイトなどで、日本に住む英語を使う人たちにも関わってみたいなと思っています。

スタッフより

Anriさんは留学をする方にしては珍しく、海外生活や英語力アップに強い希望があるという印象を受けていなかったので、どうしてこの厳しい状況を乗り切れたのかがとても気になっていたのですが、成功の秘訣はやはり「努力」の一言でした。逆に、留学でやりたいことが多くなかったからこそ、英語の勉強にも集中できたのかもしれません。

大学付属は周りの学生さんたちのモチベーションも高いので、プレッシャーに弱いタイプの方だと厳しかったかもしれませんが、進学の学生さんと同じ気持ち、勉強量で授業に挑めれば、半年でもしっかり英語力が伸ばせ、かつ、アカデミックなテーマのディスカッション、エッセイやプレゼンを通して、ビジネスでも活かせるレベルの英語力が身につけられるということを見せてもらえました。

情報に溢れた時代にいる大学生のAnriさんにとって「本当の留学」はインスタやYoutubeなどで紹介されているものとは違うものだったようですが、実際に経験して苦労を乗り越えることで大きな自信になったと聞いて、本当に嬉しいです。インタビュー時に「大変でしたよ」と言いつつも、自信に溢れた笑顔だったことは忘れられません。

就職についても帰国時にはやりたいことが少し明確になったようなので、日本でも引き続きいろいろな経験をして、希望の就職につながることをシドニーから祈っていますね!