【体験談】初めての海外留学で将来の方向性を見つけた!〜メルボルンでワーホリ&日本語教師アシスタント留学〜
石田 萌恵さん 2023年5月31日
石田さんは、大学在学中に休学をし、ワーキングホリデービザでメルボルンに渡航することを決断されました。語学学校への通学や日本語教師アシスタントプログラムへの参加、そして様々な国の方との交流やアルバイトなどを経験し、石田さんらしい素晴らしい経験を積むことが出来ました。
今回は、日本語教師アシスタントプログラムやワーキングホリデー中のアルバイト、そして留学中のあれこれについて詳しく聞いてみました!
ずっと続けているボランティアが海外で日本語を教えることへの興味のきっかけに
アシスタントプログラムに参加しようと思ったきっかけはありますか?
地元の公民館で外国人や外国にルーツのある子達に日本語や勉強を教えるボランティアを高校生の時からしていて、大学生になってからもずっと続けています。
その経験を通して、海外でも人に何かを教えたいという想いがあり、色々調べてこのプログラムのことを知りました。
オーストラリア以外の国も最初は検索していましたが、受け入れてくれそうな国と興味がある国で絞った結果、オーストラリアになり、最終的にこのプログラムがヒットしました。
大学は2025年3月に卒業予定で、グローバル地域文化学部でメキシコのジェンダー研究をしています。人や文化、世界史、そしてグローバルなことに関心があるので、それを含めて”海外で教える”ということに興味があり今回のワーキングホリデーに繋がりました。
個々に合わせた学習スタイルの授業を体感
主なアシスタント内容は?
役割としては主に下記3つあります。
1. 授業中の巡回&生徒の質問に答える
2. 生徒達のスピーキング練習の相手
3.日本語の能力が高い生徒の発展学習のサポートや授業に遅れている生徒のフォローアップ
一番多い役割は巡回です。授業は先生が一方的にする授業スタイルではなく、先生がその日することを最初に説明して、あとは先生によりますが、スクリーンを使って一緒に単語を学んだり、リスニングをしたり、リーディングの課題を与えて、生徒が自分で解いていくような流れです。
なので、生徒が解いている間、巡回してサポートしてあげるのが私の役割になります。
みんな遠慮なく質問をしてくるので、巡回している時はかなり忙しく、主には文法的な質問や、単語の意味、回答に関しての質問が多いです。
2のスピーキング練習は高学年のクラスに多いですが、授業中にスピーキング対象の生徒をクラスの外に呼び、スピーキングの課題に沿って、1名か2名で対話の練習をします。
3のサポート&フォローアップは、あらかじめ先生が選んだ生徒を授業中に外に呼び出して、私が個別にサポートします。
よく出来る生徒は、IB(国際バカロレア)のクラスの生徒だったので、IBのテストを一緒に解いたり、追加のスピーキング練習をしました。
遅れている子の中にはひらがなができない子もいたので、その子達とはひらがなを一緒に復習したり、先生から予めもらった情報を参考に自分でもその子の苦手部分を観察しながら、それぞれの生徒のレベルに応じてクイズ形式で問題を解いたり、苦手な分野の強化をしました。
基礎的な日本語知識がある方がより充実した経験が積めるかも
アシスタントをする上で備えるべきことなどはありますか?
このプログラムに参加する前に体験談を読んでいたら、”文法の説明が難しかった”と書いている方が多かったので、文法を少し頭に入れておくことは重要なのかなという意識はありました。
たまたま知り合いに日本語を教えるための日本語学校の指導教材を持っている人がいたので、それを借りて、事前準備はしていました。
そこには基本文法の説明、教える時に注意したほうがいいこと、ボランティアをする上で準備することなどが書いてあったので、目を通し、事前勉強したので、あまり授業内の質問で困ることはありませんでした。
品詞(助詞、副詞、形を容詞など)は英語で知らない言葉が多かったので、しっかり覚えて参加しました。
文法に関しては基本的に先生が作っている資料もあるので、それを見ながら説明も出来ますが、もしかしたら基本的な文法の構造や品詞の英語名称などは開始前に頭に入れておいたほうがいいかもしれません。
プログラムでの英語の必要性はどのくらいですか?
生徒に教えたり説明するときは英語が基本でした。私はプログラム前にインパクト・イングリッシュで一般英語コースを17週間受講しました。
小学校から英会話学校を週1回高校生までずっと続けていたので、英語力はAdvance(上級)あり、学校でもPre-Advanceのクラスで勉強していましたが、スピーキング&リスニングが得意でライティング&リーディングが苦手なタイプです。
メルボルンは様々な国の方が住んでいて、アクセントも様々です。生徒は基本ネイティブなのでプログラム中ではアクセントの聞き取りにそんなには苦労しませんでしたが、日々の生活の中でのリスニングの苦労のほうが多かったです。
このプログラムだけでなく、海外留学する上で、英語力がより高いほうがより海外生活は楽しめるかもしれません。
オーストラリア教育から得たたくさんの学び
オーストラリアの学校の教え方についてどう感じましたか?
レベルが高い子や低い子を個別で教える方法はとてもいいなと思います。日本の学校でそういう経験がなかったので、教育の観点からみたら、あるべき姿かなと感じました。
苦手な子が勉強してひらがなができるようになったときの表情や、よく出来る子として選出される時に自分の名前が呼ばれると、「やった、選ばれた!」と喜んでいる姿を見たことを通して、個別授業が学生のモチベーションをより高めているなと感じました。
個別授業をすることで、先生に個々の能力をしっかり見てもらっていると生徒が認識出来、そういう気持ちが生徒にも伝わる、だから頑張れるところもあるのかな、と思いました。
またオーストラリアの授業では、生徒をよく褒めます。低学年だけでなく、高校生相手でも先生は褒めるところはしっかり褒め、そして叱るところはしっかり叱るという環境でした。
褒めてあげることでその子の自信に繋がる場面をよく見てきました。
日本だとよく出来たことを評価しないところがあるので、ここは日本でも学ぶべきポイントだなと改めて感じましたし、褒める文化は教育においてとても重要だと再確認しました。
また生徒が答えを回答した時に、褒めるだけじゃなくて、掘り下げて聞いたりするところも個人の意見を尊重しているな、と感じましたし、それが生徒のモチベーションに繋がっていました。質問した時にみんなが手をあげて、発言を恐れないような環境もとても素敵だなと思います。
プログラムに参加して、印象に残っていることはありますか?
私はアシスタントとして8クラスもっていたのですが、その8つそれぞれのクラスで10分から30分位の授業(話す機会)をする機会を頂きました。低学年クラスでは事前に指定された文法とトピックスを使って、それに沿った話をし、高学年クラスでは予めトピックをもらいそれに応じて資料を作って授業をしました。
日本のコマーシャルを使ってリスニングゲームをやったり、IBクラスでは日本の多様化というトピックで日本の国籍ミックスの現状や、私の世代の日本人から見た多様性、世代によっての考え方について英語で話しました。
文化の話をする時は学年を問わず、みんな興味をもってくれました。日本の部活についてなど、毎日の出来事のちょっとした違いに多く興味を示していたのが印象的です。
色々な学校のイベントに参加できたこともいい経験となりました。子供達が集まる集会に参加したり、ミュージックフェスティバルは放課後にやっていたので見学しました。近郊のスタジアムを借りて行った運動会や、子供が主体で行うチャリティーフェスティバルにも参加しました。1学期だけのプログラムの参加でしたが、全部で4つ程のイベントを実際体験出来たのは、よかったです。
将来の方向性を見つけるいいきっかけに
プログラムに参加して気持ちの変化はありましたか?
先生の近くで授業に参加することが出来て、教師としてどういうスキルが必要なのかをオーストラリアの教育から学べたことは大きかったです。
最初は先生という職業に興味ある程度だったのが、このプログラムに参加して、改めて”教える立場になりたい”と思うことが出来ました。
大学を卒業したら、まずは英会話学校で働いて、子供を対象とした英語教育に集中して身をおく予定ですが、教員免許取得にも興味があるのでいずれは挑戦したいと考えています。
人との交流で広がるたくさんの繋がり
アルバイトはされてましたか?
ホストマザーの紹介で、個人経営の印刷会社でアルバイトをしていました。
大学生や企業向けの業務用のプリンターで本やポスターを作っている会社で、4人ほどの小さな会社だったので、私自身が注文をとったり、電話を受けたり、パソコンを使ってトリミング、印刷、バインディングのような加工の作業も行っていました。
もともとはホストマザーの会社だったそうですが、今は彼女の友達が経営しています。
働いている人の中には、メキシコ人とコロンビア人もいて、メキシコの方が、偶然にも私が大学で研究している"ジェンダー"に関心がある人でした。
ジェンダーの話で盛り上がったり、私はスペイン語も勉強しているのでスペイン語の会話に入ったりと、期間としては数ヶ月でしたが、とてもいい出会いにも恵まれました。
彼らの知り合いのコロンビア人シェフのBBQに呼んでもらったりと、メルボルンにいながら、南米の文化も学べたとても貴重な経験でした。
留学中苦労したことはありますか?
初めての海外で、勉強にアルバイトにと、初めて経験することが多くあり、慣れるのに大変でした。ですが、ホストマザーやアルバイト先の人たちにたくさん助けてもらって生活が出来ていたと改めて思います。
ホストマザーとも最初に会ったときからずっと繋がりがあり、オーストラリア滞在中はお世話になりました。
また何気ない経験や知識が思わぬ場面で役に立ったことが、この留学中よくありました。例えば、アルバイト先の人たちと自分の専攻の話や歴史の話ができたり、スペイン語を聞き取ったり、英会話学校や塾でアルバイトしていた時のコミュニケーションスキルがアシスタントプログラムで役に立ったりと、思わぬ場面で過去の経験を活かすことが出来ました。
改めて自分が日本人であることを実感
お休みの日はどのように過ごしていましたか?
メルボルンにはいたる所に大きな公園があるので、そこを散歩したり、ホストマザーやハウスメイトと車で出かけることもありました。
ホストマザーはイタリア人なので、ソレントという場所にあるイタリアの影響を受けてデザインされた街に連れて行ってくれました。オーストラリアに居ながらイタリアを感じたことはとても印象に残っています。
初めての海外生活でなにか気づきはありましたか?
アジア人に見えることや日本人であることでの経験を通して、日本人であることについて考えさせられたことはよくありました。
日本にいると日本人であることになんの疑問も感じませんが、外国に来て改めて自分は外国人であることを感じました。とても不思議な気持ちになったり、気の引き締まる思いにも何度かなりました。この感覚は留学しないと経験できないことだと思います。
外から来たからこそ、自然に溶け込めた感じもあったので、多国籍であるメルボルンを選んでよかったと改めて思っています。