【体験談】自分に挑戦したい!オーストラリアで大学進学を目指す語学留学

平塚 南帆さん 2019年12月2日


平塚南帆さん(Ms Nanaho Hiratsuka)高校在学中に、サンシャインコーストにある州立高校で1年間の高校留学経験。

高校卒業後の1年間は、自分がやりたいことを考えるGap Yearに。高校留学の経験から、英語 “で” スキルを身に着けたいと感じ、オーストラリアへの大学進学を決意。

大学進学に必要な英語力を身につけるため、約7ヶ月ブリスベンにあるNavitas Englishに通学し受講されたアカデミック英語コース、IELTSコースについて詳しくお話頂きました。

オーストラリアで大学進学しようと思ったきっかけ


高校2年生の1月から高校3年生の11月末まで、クイーンズランド州サンシャインコーストの高校に約1年間留学し、帰国後、3月に日本の高校を卒業しました。高校卒業後に学びたいこと・やりたいことがまだはっきりとしていなかったことから、同級生が大学受験をするタイミングでの日本の大学受験はしないと決めました。

日本に帰国し、高校卒業後の進路を考えている時、大学に行くなら英語 “を” 学ぶのではなく、英語 “で” スキルを身に着けたいと思うようになりました。

それと同時に、それまで、私の人生の中で勉強において挑戦をしたことが少なく、入学することよりも卒業することが難しいといわれる環境で自分を試してみたいと思い始めました。

そんな中で、高校留学中に滞在していたクイーンズランド州の温暖な気候が忘れられず、また、日本との時差の少なさなども魅力的で、オーストラリアで大学に通うということが、選択肢の一つになりました。

最終的には、高校留学当時に出会い、連絡を取り続けていた、信頼できるホストファミリーや友達などがいる安心感が後押しになり、オーストラリアで大学に行くことに決めました。

この決断に至るまで、やりたいことを考え、たくさん悩み、高校卒業から一年後にオーストラリアに再度渡航しました。


Navitasで受講したアカデミック英語コース


渡航前に希望していた大学に入学するために、IELTSのスコアが必要だったので、まずはブリスベンにあるNavitas Englishに通学しました。

NavitasのAcademic English 3 (AE3- アカデミック英語コース)は、大学進学のための準備をするコースです。10週間で、オーストラリアの大学で勉強するにあたって必要なことを課題や試験を通して学びます。基本的なトピックは、10週間を通してSustainability(様々なものに関連する持続可能性) に関連したものでした。

大学進学に向けてのコースのため、アカデミックな授業が中心です。授業の中で英語で話す機会はもちろんありますが、英会話を学ぶということは特にありません。学ぶ語彙も、アカデミックなものが多かった印象です。英語で自分の意見を言えること前提で授業は進んでいくため、喋ることにあまり自信がない人、スピーキングを伸ばしたい人は、一般英語コースから始めるといいのかな、と個人的には思いました。

時間割は、10:25から12:25まで、2時間のLesson1、その後5分間の休憩をはさんで12:30から13:30まで一時間のmyStudy(コンピュータールームでエッセイやプレゼンテーションなどの課題に各自取り組む時間、先生もその場にいるためいつでも質問可能)、その後約1時間の昼休憩をはさんで14:35から16:35まで、2時間のLesson2で一日が終わる、という流れになっています。

授業の時間が一般英語コースなどに比べて遅いこと、また、提出しなければならない課題なども多いため、私はアルバイトはしませんでした。(なかには授業後に働いて、課題もこなしているクラスメイトもいました…!すごい!)

Lesson1・2の内容は、課題に関連したもので、テーマについての意見を述べたり、ディスカッションやグループワークなど、大学の授業を想定したものや、エッセイの書き方・プレゼンテーションのつくり方を学んだりしました。


Navitasで受講したアカデミック英語コースの授業内容


AE3コースは、前半の5週、後半の5週で大きく区切られます。

基本的に入学日が決まっており、同じクラスメイト・先生で10週間学ぶ、closed courseですが、私がいたときは、後半の初めに10人ほどの新しい生徒が加わりました。

前半・後半に分けた、計10週間のおおまかな流れは以下の通りです。

〈前半5週のおおまかな流れ〉
提出課題:文献調査、二つの雑誌記事について約2000字
提出課題:ペアでのスピーキングタスク: ランダムに2~3人のグループに分けられ、テストの際に知らされるトピックについて、先生とクラスの担当の先生二人の前で話し合う
中間試験: リーディング、リスニング、ライティング

Week 1:  即興の自己紹介プレゼン(採点はされない)、コース・課題・試験についての説明、オンライン提出方法について(課題は進学を見据えてすべてオンラインで提出)

Week 2: パラフレーズの練習、州立図書館への遠足- 文献を探す際の図書館の利用方法を学び、図書カードを作る(これが後半5週の課題で生きてくる)

Week 3: 文献調査のまとめ 1,2 の下書き提出

Week 4: 文献調査のIntroduction(導入), Abstraction(抽出), Comparison(比較), Evaluation(評価), Complete LSの下書き をそれぞれ提出

Week 5: 文献調査最終提出,ペアでのスピーキングテスト, Mid-course exams(中間テスト)

〈後半5週のおおまかな流れ〉
提出課題:
Research Essay: 与えられたSustainability(様々なものに関連する持続可能性) に関連する二つのトピックから各自一つを選び、それについて文献を用いて各自の意見を約1500字でまとめる(私が選んだトピックは”Organisations that embrace sustainable development are competitively disadvantaged over those that do not”)

提出課題::
プレゼンテーション: United Nations のSustainable development goalsの中から一つのゴール を各自選び、それについてパワーポイントを使った約20分間のプレゼンをする

ケーススタディ:
❶各グループ4人ほどにランダムに分けられ、各グループにテーマとなる比較的新しい企業が割り当てられ、それについてのケーススタディをする(私のグループはVirgin Hyperloop One という会社)1日の準備期間(採点対象)を経てのグループプレゼンテーション(1グループ約20分)

❷A4用紙一枚分持ち込み可のwrite-up (試験コンディションの中、プレゼンテーションの内容を箇条書き500字以内にまとめる、グループではなく個人)
最終試験: リーディング、リスニング、ライティング

Week 6: 新しく入った生徒とランダムにペアになり、各グループセミナーに向けての練習プレゼンテーション(各グループそれぞれが選んだエネルギー源について15分程度、私のグループは太陽光発電について)

Week 7: セミナープレゼンテーション準備、リサーチエッセイの計画

Week 8: セミナープレゼンテーション本番・リサーチエッセイ の議論の下書き 提出

Week 9: リサーチエッセイの導入と結論, complete RE の下書きをそれぞれ提出・リサーチエッセイ最終提出・ケーススタディプレゼンテーション(case studyに向けての採点対象にもなっている準備日)

Week 10: ケーススタディプレゼンテーション(グループ)・ケーススタディ(個人)・最終試験

以上のように、コース期間は提出課題やプレゼンの準備、テストなどに常時追われていましたが、そのおかげで、オーストラリアの大学の形式にはある程度慣れることが出来たと思います。

現在、大学や大学院で学んでいるAE3の当時のクラスメイトの話を聞いていると、実際の大学生活はさらに大変になるとは思いますが、このコースを通して大学の具体的なイメージをつかむことができたことで、AE3の受講前よりは、安心して2020年2月からの大学生活を始めることができそうです。


Academic Englishコース後に受講した IELTSコース


IELTS preparationコースも、時間割りはAE3と同じです。

Lesson1(10:25-12:25), myStudy (12:30-13:30), Lunchtime (13:30-14:35), Lesson2 (14:35-16:35)

しかし、myStudyの時間は、コンピュータールームで過ごす代わりに、曜日ごとに違ったスキル(スピーキング, ライティング, リーディング, リスニング)の問題を解き、1週間ですべてのスキルのテストを受けれるようになっていました(ライティングはタスク1とタスク2を毎週交互に、スピーキングはクラスメイトでペアになって練習)。

Lesson1はその日のテストにつながること(語彙など)を学び、Lesson2はその日のテストの復習をしました。また、4週に1度、水曜日に、IELTSの本試験と同じような環境で受ける模擬試験があります。

ライティングは、模擬試験のみ点数をつけてもらえました。また、スピーキングは模擬試験の際だけ、IELTS担当の先生、または他の先生が試験官となり、採点してもらえました。

授業は基本的には文法を学ぶというよりも、IELTS本試験をどうやって解くかについて学びました。また、スピーキングに割かれる時間もあまり多くなかったため、授業の間の5分休憩や昼休憩の間に、意識してクラスメイトと英語で話すようにしていました。

このコースには、IELTSのacademicを受験する人、general trainingを受験する人、さらにはIELTSを受験する予定がない人(一般英語コースを受けていたが変化を求めて入ってきた、Cambridgeコースを終えて入ってきた、など理由は様々)が同じクラスで学んでいたこと、それに加え、それぞれが目標とするスコア・英語のレベルも違ったため、分からないことは自主的に先生に質問していくことはもちろん、周りに流されないで、絶対に決めたスコアを取るぞ、と常に自分を強く持つことを意識していました。


アカデミック英語コースとIELTSコースの違い


一番の違いは、AE3は入学日が決まっているclosed classに対し、IELTS preparationコースは毎週月曜日に入学が出来るopen classであることです。

Closed classの良い点は、期間が10週間、始まる日時も決まっていること、また、先にも触れたとおり、基本的に先生とクラスメイトが変わらないため、勉強に集中できること、クラスの仲が深まることです。

クラスメイトは、パスウェイを使って進学を目指す人、大学の合格レターをすでに取得しているがAE3を受けている人、私のように大学とNavitasのパスウェイがなく、最終的にはIELTSが必要だけどAE3を受けている人、など様々でしたが、全員がオーストラリアでの大学・大学院進学を目指している、という共通の目標があるということは、大きなモチベーションになりました。

それに比べ、open classであるIELTSコースは、先生が変わることも多く、生徒の入れ替わりも多かったです。毎週のように新しい生徒が入ってきて、毎週のようにお別れがありました。良く言えば、いろんな人に出会えるし、先生によって教え方も違い、先生が変わると違う角度から学ぶことができ、新しい気づきもありました。

しかし、15週間IELTSコースで学ぶ中で、先生が変わる度、新しい生徒が入る度に同じことを何度も学ぶ反面、カバーしきれていない部分もありました。また、それぞれがコースで学ぶ期間が異なるため、せっかく仲良くなったと思ったらお別れ、ということも多かったです。

個人的には、オーストラリアで進学する予定がある場合は、大学の準備に特化しているAcademic Englishコースを受けていると、実際に大学に行き始めたときに、学んだ内容が生きてくるのでは、と思います。

しかしながら、IELTS preparationコースもIELTS受験に特化しているとはいえ、日々多くのリーディングをする上でアカデミックな文章を英語で読むことに慣れ、日々新しい単語に出会うことができ、また、スピーキングの面では、いろいろな言い回しを知ることもできました。

どちらか一方のコースを選ぶ場合は、色々なことを踏まえたうえで、何を重視するかで自分に合った方を選ぶと良いと思います。


Navitasのクラスメイト、雰囲気


AE3コース・IELTS preparationコースともに、10代のクラスメイトは私以外に数人のみでした。特にIELTSコースは、年齢もバックグラウンドも様々だったので、いろいろな価値観を知ることができ、視野が広がりました。

どちらもアカデミックなコースのため、時間割的にも放課後のアクティビティに参加はできず、基本的には一日中ずっと勉強、の毎日でしたが、特にIELTSのコースの先生は、チームごとにチョコレートをかけて競い合うゲームなど、楽しい要素を織り交ぜてくれたり、卒業するクラスメイトがいる金曜日の午後の授業では、クラスでちょっとしたお菓子パーティーをしたりして、クラスメイトと仲良くなることができました。

AE3の10週間は一言でいうとタフでした。それを乗り切ることができたのは、それぞれの目標に向かって最初から最後まで一緒に頑張ったクラスメイトの存在がとても大きかったです。

母国で学士号をすでに終え、オーストラリアで修士号を学ぶためにAE3で学んでいたクラスメイトも多く、わからない部分を助けてもらったりもしました。


コース終了後にクラスメイトの多くが進路のためにブリスベンを後にするなか、特に仲良くなったクラスメイトの二人がブリスベンの大学に進学したこともあり、AE3を終えた後にも一緒にご飯に行ったり、映画を見に行ったりして、私が日本に帰国した今でも連絡を取り続けています。

生徒と先生が基本的に変わらないclosed classであることから、前半の5週が終わった際にパブに行ったりしてお祝いしたりするなど、アットホームでありながら、やるときはやる、というメリハリのあるクラスの雰囲気のおかげで、大切な友達もできたし、ハードな勉強も楽しむことができました。

正直、毎日の勉強は簡単ではありませんでしたが、とても充実した日々でした。


休日の過ごし方


特にAE3受講中は、課題が大変で、余裕はありませんでしたが、月曜日からまた勉強に集中するために、週末はしっかりリラックスすることを心がけていました。

休日は、語学学校で仲良くなった友達とサウスバンクで行われたBrisbane Festivalに行ったり、ハウスメイトとマーケットに出かけたりしました。


私自身、東京の西側出身で、自然が恋しくなることも多々あり、そんな時は、高校留学時の友達やホストファミリーに会いに、電車でサンシャインコーストによく行きました。

当時のホストファミリーは、私にとってオーストラリアの家族で、いつも私を家族の一員として迎えてくれます。今回の留学中もキャンプやゴールドコースト、NSW州のYambaに連れて行ってくれて、色々なオーストラリアを私に見せてくれました。

勉強に行き詰まった時・リフレッシュしたい時は、「いつでも帰ってきていいよ」、と言ってくれたホストマザーに甘え、金曜日の放課後、そのまま電車に乗ってサンシャインコーストに行き、日曜日の夕方にブリスベンに帰ってくる、ということもありました。

私は周りの環境に本当に恵まれていること、また、ブリスベンはコンパクトな都市ながら、様々なコミュニティーが存在すること、イベントも多く開催されることから、何もすることがない、という週末はあまりありませんでした。


語学留学中に進学する大学を選ぶメリット


大学の情報を集める上で、ウェブサイトなどをパソコンやスマホの画面上で見ていても、渡航後にイメージと異なるということは珍しくないと思います。個人的に、数年間を過ごす大学とその周りの環境を、自分の目で見て、雰囲気を肌で感じるというのは、とても大切なことでした。

実際に私の渡航時の予定は、語学学校を終えたら、ブリスベンの大学で、全く違うことを学ぼうと思っていました。しかし、Open Day(オープンキャンパス)に行ってみたところ、立地なども含め、自分が思い描いていたイメージと異なったことから、もともと興味があった他の分野を、別の大学で学ぶことを考え始めました。

いくつかの大学のOpen Dayに行き、比較する中で、サンシャインコーストの環境、学びたい学部の内容が自分に合っていることから、サンシャインコースト大学で学ぶことに決めました。

オーストラリアにいる間に、休日などを使って他の都市に行き、キャンパスを見学して、雰囲気を比較出来ることは私にとっての大きなメリットでした。

学生ビザの申請が2回必要にはなりますが、オーストラリアで留学したいけど、具体的に何をしたいかわからない人にとっては、まずは語学留学のみで渡航し、Open Dayなどを活用して気になる大学にとにかく行ってみる、というのも一つの手だと思います。


2020年2月からサンシャインコーストで新しい生活がスタート


自分に挑戦したい、というのがオーストラリアでの大学進学を決めた理由の一つなので、2月から始まる大学生活では、勉強はもちろん、大学外でも、楽しみながら、色々なことに挑戦していきたいです。その結果として、たくさんの経験とともに卒業できるように頑張ります!