【体験談】二国の文化を知る日本語教師アシスタント経験

石橋 怜大さん 2019年1月16日

ワーキングホリデーのみなさんに安定的な人気を誇る『日本語教師アシスタントプログラム』!!
今回は2018年10月から1学期間、メルボルンのセカンダリーカレッジにて4年生から11年生までのクラスを担当された石橋さんの体験談です。


私が日本語教師ボランティアに参加した理由

もともと、海外に行くことには実はそんなに興味がありませんでした。だた大学で教育学を専攻して塾で英語をメインに教えているので、将来も塾や学校で先生として引き続き教える可能性を考えた時に、英語力はもっと見直していかないといけないな、と思ったのがきっかけでした。

また特に私が特化しているのが、教育方法論なので、教育をどのようにして教えていくかを勉強していく過程で、日本で英語を教えるという角度だけではなく、逆の角度(日本語を勉強する海外の人はどのようにして学んでいるのか)を知りたいという思いもありました。日本語と英語のように言語があまりにも違う場合にどのような教え方をしているのか、したほうがいいのかということには以前から興味があったので今回はワーキングホリデービザではありますが、教師としての経験を積むための留学をすることを決意しました。

留学を今後の自分のキャリアにプラスにできるかどうか、また形に残るものを得る、というところをしっかり考えて、今回のような留学プランにしました。

自分でアピール! クラス内での授業も担当。

私は主に4年生から11年生のクラスに入っていました。プログラムの前半は、理解が出来ない子のスタディーサポートや、個別でスピーキングやリスニングの指導のお手伝いをしました。後半になると、4年生から11年生の授業を結構任されるようになりました。時間は30分くらいのときもあれば、75分全部カバーする時もあり、合計すると14回くらいは、授業を行わせていただいたと思います。

オーストラリアは、チャンスは待っているだけではやってこないです。私はこのプログラム期間にできる限りの経験をしたいという想いが強かったので、自分から授業をやりたいということをアピールしました!

基本はプリントに沿ってやることが多いのですが、私が授業をさせて頂いた12月は試験前後のときが多く、幸い自由に使える時間もたくさんありました。なので、その時間を利用して、自分でパワーポイントや動画を用意して、生徒前で発表したりしました。


授業でやる内容は、生徒が興味がある内容を事前に自分でしっかり考えて行いました。例えば盛り上がったのが、日本のプラック校則についてです。予め自分で全国の面白い校則を調べ、何故そういうものがあるのか等をまずは発表しました。そのうえで生徒の意見を聞いたり、何故かを考えてもらうような内容にしました。本当はホワイトボードにキーワードを書いて、それを基に理由ををもっとみんなで話し合ってほしかったのですが、最後は時間が足りなかったのが少し残念でしたが、みんな興味をもってくれたのが嬉しかったです。


また、日本ではあまり行いませんが、ブレーンストーミングの授業も行いました。日本とオーストラリアの教育や学校の違いを議論してもらって、その上でみんなの意見を付箋に書いて、画用紙に貼っていくというものです。貼った上で、グループに分かれて、その意見をカテゴリーに分ける。そのうえで、原因の追求をしていきました。みんなでブレーンストーミングをした上で、日本政府が国政的に見ても教育にお金をかける割合が少ないという事を教えたりもしました。

自分のアイディアでの教材作りでも活躍

プログラム期間中には、教材作りにも積極的に参加しました。空き時間を見つけて作ったのは、12年生用の原発についての教材、過去現在未来に3つに分けたリーディングと質問の教材、そして原本文があるものに対しての質問を考えた質問教材などです。

学校には日本語教師が3人先生おり、それぞれの先生の授業に入る事が出来たので、授業がコンスタントにあったのはよかったです。思ったよりもたくさんの授業を経験させて頂きました。教材作りは、たまにある空き時間や、自宅に持って帰ってやりましたが、とても充実した経験でした。

私の参加していた学校の先生方は、私のやりたいことを比較的自由にさせてくれたので、色々な事が経験できたのも本当によかったです。授業も任せてやらせてもらえた事は、自信にも繋がりました。

教師の目線からオーストラリアならではの教育を実感する

11年生になるとクラスに入っている子は日本語がよく出来ていると感じたのですが、9−10年生のクラスに入っていると、必ずクラスに数人全く日本語がわからない生徒がいました。11年生になると好きでとっているのに比べて、9−10年生は選択授業を何か取らないといけないので、義務で入っている子がいるからです。そういう子にとっては、日本語はあまり必要性がないので、モチベーションもなく、語学も全然伸びていかないということを目にしました。

そういったこともあり、言語力が最も伸びるのは11年生(16.7歳)から、と感じたのも事実です。11年生からは自分で日本語を選択してくるので、学びの姿勢が違います。ただ、オーストラリアの教育システムは学び始めたときから均等に学べるような授業内容になっているし、査定システムもしっかりしているので、しっかりモチベーションをもって学ぶ人には伸びやすいシステムになっているとも感じました。

廊下でスピーキングの手伝いをするのですが、これもみんな最初からやっているので、文法レベルと同じスピーキングがついてきているのも、とてもいい学習方法だと思いました。11年生になった時には、生徒はバランスがとれた日本語力があり、討論もできるようになっています。討論では、携帯電話、スマホのよしあし、スマホ依存などテクノロジーについて話す機会もありました。みんなしっかり意見を語っていたのが印象的です。


二国の違いを体感した貴重な経験

オーストラリアの教育の良さを感じたと同時に、日本の教育の良さも同時に感じることが出来ました。オーストラリアはとにかく学校でも自由すぎます! 行儀に関しては日本はすごく厳しいというのも同時に気付かされました。例えば、授業中フルーツなどを食べながら授業を受けてもよかったり、授業では鉛筆とボールペンを使っていたり、クラスの中で好きな席に座れる、皆パソコンは一人一台持っていてネット上で先生に質問したり、クラスメイトが繋がっている等など。日本では考えられないことが普通に受け入れられていました。

その上で、日本はすごく窮屈すぎると感じる一方、日本の掃除文化などはとてもいいなぁ、と思ったり。二国の文化のいい点、悪い面も含めて、考えさせられることは多かったし、とても勉強になりました。
プログラムの最後には生徒から寄せ書きを頂きました。この経験は一生の思い出になると思います!


大学卒業は英語の先生に!

このプログラムの後、TECSOLとJ-shineコースをシドニーで受講してから帰国し大学に復学します。4月から4年生を終えた後は、小学校から高校までの教員免許をとり、英語を選択しているので英語の先生になる予定です。

今回私が興味があった言語の事、そして教育の現場の違いを知れたことは今後の教員としての糧となると思います! 是非皆さんにこのプログラムの参加をお勧めしますし、参加するには、先生方にしっかりアピールして、そこでしか出来ない素晴らしい経験そして留学生活を送ってください!