【体験談】日本とオーストラリアの教育の違いを体感! 〜楽しく教える日本語教師プログラム〜

長谷川 百合香さん 2018年1月18日

ワーキングホリデーのみなさんに安定的な人気を誇る『日本語教師アシスタントプログラム』!!
今回は2017年6月にメルボルンに到着し、インパクト・イングリッシュ・カレッジで12週間みっちり英語力を身につけた後、2017年10月から1学期間、メルボルンのセカンダリーカレッジにて3年生から12年生までのクラスを担当された百合香さんの体験談です。

私が日本語教師ボランティアに参加した理由

私は日本の大学で日本語教授法を専攻していて、日本語教師の免許も持っている為、海外でどのようにして日本語を教えているのかという事にずっと興味がありました。

大学では教育実習で教えたことがあったので、2国の教育の違いを是非目で見て経験したいと考えた為、今回ワーキングホリデー渡航時にこのようなプログラムに参加する事を決めました。

また、大学生の時に、シドニーにある大学の日本語クラスを見学させてもらった事がありその時に一緒に参加したアクティビティーでの経験が素晴らしかったので、同じような経験をまたしたいという思いが強かった、というのもあります。

英語を使って日本語を教える現地の授業

今回参加させて頂いた学校では、3年生から12年生まで経験させてもらいました。主な内容としてはテスト作りと、授業のアシスタントをしていました。

アシスタントと言っても、やることは結構たくさん!
メインの先生が授業している時に、私がクラス内を回り、手を上げている生徒さんのところに行って教えてあげます。 説明は全部英語です。

※7年生のクラスで十二支と年賀状の説明を担当

ライティングしている子達には、作文のマスの空け方のアドバイスをしたり、「たりたりフォーム(たりは2回以上でないと使ってはいけない)」や「てフォーム(動詞をXXてに変える時にどう変化するか)」の説明をしたりもしました。ボキャブラリーについてたくさんの質問がたくさんありましたが、もともとの知識があったので、出来るだけわかりやすく説明できるよう心がけました。

またテスト期間はスピーキング練習の相手を廊下ですることが多く、一対一で指導することも多かったです。
今回は一年の最後の学期だったので、3年生や4年生のクラスに行ってきび団子や巻き寿司、8年生とはお弁当を作ったりというアクティビティーなども一緒に参加しました。
またある時には、本や新聞の記事、過去問題を参考にしながら、練習問題を自分で作ることもありました。

※8年生のクラスではみんなでお弁当作り

日本とは全然違うオーストラリアらしい教育環境での体験

私が今回参加した学校は、10年生までが日本語必須です。それ以降は興味がある人しか日本語を選択学科として取らないので、上のクラスにいけば行くほどレベルも高くみんな真剣です。

あるクラスでは、日本語で医療と教育におけるテクノロジーについてみんなで議論していましたが、このクラスには日本語がずば抜けてできる学生さんが1人参加していました。
1人高いレベルを入れることによって、標準レベルの子達も同じレベルで一緒に話せるように頑張っているのを見て、こういった教育方法が議論の出来るオーストラリア人を育てるんだな、と感心しました。こういう教育方法は日本にもあればいいな、と思いました。

また生徒個人がいつもしっかり自分の意見を持っていて、それをしっかりグループの中で伝えたり、グループワークの中でも自分のアピール力というのがすごく強かったです。
また先生もしっかり褒めて伸ばすということを実践していて、私もこの方法は意識して使うようにしていました。


オーストラリア教育のすごい所は、その子のレベルによって練習問題を変えることです。
ですので、テストといっても1クラスで種類は一つだけではなく、いくつも作ることがありました。特にレベルの高い子に関してはその子だけのための特別テストを作ることもあり、個人に応じた学習環境を提供しているのがとても印象的でした。

毎日が英語の勉強! 現地の子供達とのコミュニケーションの毎日

プログラムが始まる前には、語学学校で12週間一般英語コースを受講しましたが、それでも学校でのプログラムが始まってからは英語に苦労しました。

とりあえず、子どもたちの英語がとても早い! そして授業中は皆一斉に話し始めるので、それぞれの生徒の質問に答えていくのも大変でした。語学学校では1人1人と話すことが多かったので、皆に向かって話すという経験は貴重でした。最後の方には大分慣れましたが、最初はそれに慣れるのが大変でした。

日本では直接法(日本語で教える教授法)で教えるのですが、こちらでは間接法(英語で教える教授法)なので授業は基本的に英語で行われます。
英語はいつでも必須ですが、レベルが高い学生や日本語がバックグラウンドの家庭で育っている子達とは日本語で話すこともありました。
ですが、プログラムを終えて改めて思うのが、聞く能力はかなり伸びた気がします。

いつもウェルカムの環境を作ってくれた学校の先生や生徒達

プログラム参加中には、親の前で行う発表会がありました。
私は5,6年生の発表会に参加しましたが、発表会前に生徒と一緒に準備をしたり、練習を見てあげたり、練習中の代役として入ったりなど、チームとしてその場に参加できたことはとても素敵な経験でした。
みんな頑張って日本語のセリフを覚えて何度も練習していたのを知っていたので、劇が無事成功したときには私自身もとても嬉しく感動したのを今でも覚えています。

オーストラリアの子供たちは日本の子供よりも年齢の割にまだ少し子供っぽく、人懐っこいように感じました。いつも私に懐いてくれていたので、ほんとうに可愛かったです。
日本語の先生達は、学校の演劇の発表会に誘ってくれたり、一緒にお茶をしたりととても優しく接してくれました。

※Takahashi先生とYamawaki先生とPage先生と一緒に

自信をもってお勧めできるプログラムです!

私が参加したのは1学期だけだったので3ヶ月弱でしたが、充分楽しめます。ただ今から思うともう少し長い学期参加してもよかったかな、とは思います。
特に英語面ではもっと長くいたらもっと上達すると思います。

このプログラムは英語の部分では苦労しましたが、それ以上に日本語を教える楽しさとそして難しさも学びました。
最初は日本帰国後は以前働いていたWEB業界に戻ろうと思っていたんですが、今はこのプログラムを通して日本語を教える楽しさと向上心が湧いたので、日本語を教える立場として今後働けたら、と思っています。 是非皆さんにこのプログラムの参加をお勧めします!