【体験談】初等英語のプロフェッショナルになるための語学留学!

渡邊 宏美さん 2016年3月11日

渡邊宏美さんは、日本で小学校教諭として働かれていましたが、2015度末にご退職。2015年4月からブリスベンで1年間ILSCにて語学留学をされました。様々なコースで英語力をレベルアップさせていき、ケンブリッジ英語検定FCEレベル合格、Certificate IV in TESOLを受講!


日本帰国後、初等英語教育のプロフェッショナルになるための語学留学をまとめた、宏美さんの体験談です。


留学のきっかけ

もともと,大学生の頃より海外で生活や勉強をしたいという思いが強かったのですが,それが叶わぬまま就職をしました。前職についてから5年。日本の英語の公教育が再び大きく変わるということを知り,一度は諦めていた海外留学を再び考えるようになりました。

当時,小学校英語を研究している部会に身を置きながら,英語を満足に使えていないということに憤りを感じていました。ちょうど5年を終えたという節目,それと今後の教育現場を考えた時,今がその時だ!と留学を決意しました。


受講した科目について

ILSCでは、レベルにより午前(コアクラス)と午後(スキルクラス)で授業を選択することが出来ます。レベルは11段階に分かれており、Beginner1〜4(初級〜初中級)、Intermediate1〜4(中級〜中上級)、Advanced1〜3(上級)とあります。Beginner 3レベルの場合は、B3という表記を行ってます。

また、IILSCでは、フルタイムとフルタイムインテンシブの授業時間割があり、フルタイムの場合は9時から14時30分、フルタイムインテンシブの場合は9時から16時まで授業となります。最初の4ヶ月はフルタイムインテンシブ、その後はフルタイムの授業を受講しました。

レベル(週数) 受講科目
B4(1〜4週) 午前:Academic Preparation(EAP)
午後:Vocabulary/Listening
インテンシブ:Conversation
I1(5〜8週) 午前:English Communication
午後:Public Speaking/Vocabulary
インテンシブ:Conversation
I1(9〜12週) 午前:English Communication
午後:Pronunciation/problem thinking & solving
インテンシブ:conversation
I1(13〜16週) 午前:Academic Preparation(EAP)
午後:Grammar/English through Film & video
インテンシブ:Conversation
I2(17〜20週) 午前:Academic Preparation(EAP)
午後:TESOL Young Leaners
I3(21〜24週) 午前:English Communication
午後:TESOL Young Leaners
I3(25〜34週) Cambridge FCE CLOSED(入学日が指定されているコース)
I4(35〜40週) 9:00〜16:00 Certificate IV in TESOL
I4(41〜42週) Cambridge FCE Open(毎週月曜日に入学が出来るコース)
I4(43〜46週) Cambridge CAE(毎週月曜日に入学が出来るコース)

ケンブリッジコースを受講していて大変だったこと・苦労したこと

最初から言われている通り,このクラスはケンブリッジFCE合格を目指して開かれているコースなので課題は,とても多いです。1日に、ワークブック数ページやライティングも週2回くらいでます。ただ,先生方も大人として生徒を扱っているので,やるやらないの決定は生徒に委ねているように感じました。

それと,このコースを受講したからと言って,すぐに結果が出るわけではないということです。プレテストを3回くらい練習でやりましたが,どれも納得のいくものではなかったので結構焦りました。努力がもちろん必要です。
みんなでチームという感じで頑張っているので,とても暖かい雰囲気でした。先生も交えて食事にも行きました。また,FACEBOOKでケンブリッジのページを作ってくれたり、英作文をメールで添削してくれたりとても親身になって面倒見てくれました。試験当日,朝から応援にも来てくれました。


TESOLについて

TESOLはとても大変だということを聞いていたのですが,コース全体として見るととてつもなく大変ということはありません。

まず,問題となるのは時間のやりくりです。短い期間にたくさんの課題がでます。TESOL勉強する場合は,特にいつまでに何を終わらせるというのをマネジメントしないと後からつらい思いをするかもしれません。(学校は,TESOLの期間や内容?を変える可能性がある話もしていたので,ここら辺の話は変わるかもしれません)

 一方で,授業のプランを立てる時間などは,用意されていたので,宿題として全て計画してきなさいとかということはなかったです。授業が押したり,学校で終わらなかったり、練習したりという場合は時間外での活動が必要にはなりますが…。

また,私が一番大変だったのは,もちろん英語で英語を教えるということです。人前で何かを教えるという経験がない場合,まずは教室に立つということに緊張をすると思います。私の場合は,そこは問題ありません(笑)しかし、いくらクラスマネジメントや机間巡視,モニタリングの方法を知っていても,英語でとなると,英語を話すことでいっぱいになり気が付かないことが多く,日本語ならできるのに…と落ち込むことがありました。

内容についてですが,英語や文法などは教えてくれません。grammarの教え方を学んだ時に,ちらっと触れましたが,文法は知っていることが前提です。主に,TESOLで習うことはどのように英語を教えるかです。また,TESOLの名前の由来でもあるように日本語母語者だけに教えるというコースではないため,文化理解や学習者のバックグラウンドなどを知る必要性なども学びました。

主に,コースの前半にそのような理論や教え方のテクニックなどを学び,それらを使って、15分や30分のティーチングの練習をしました。後半は,60分と90分の授業を何回かクラスメイト相手にやり,その後は実際の生徒を集めて90分の実践授業を行いました。



留学中大変だったこと

散々,出国前に歯医者に行くように言われたのにも関わらず私は歯医者に行きませんでした。なぜなら,私は乳歯が抜けてから虫歯がなかったからです。

しかし.オーストラリア生活が3か月過ぎた当たりから、右側にかすかな痛みを感じるようになりました。しかし,虫歯は絶対ない!と高を括るっていた私は,きっと精神的なことによる何かだ。と言い聞かせ続けました。でも,内心虫歯にビビっていた私は、ネットで情報を探しまくった結果,ブリスベンに日本語が話せる歯医者はいない,歯医者はとても高い…帰国しようか…でも帰国すると色々と不都合が…とどんどん不安になる悪循環に陥ることに。

そんなある日,遂に危惧していた激しい痛みが!!なんと口も開けられない状態に!!でも英語の授業で話をしないなんて言語道断。オーナーさんの力を借り,近所で評判の良い歯医者に行くことにしました。色んな不安を抱え,歯医者に行くと,アジア系の女医さんが私を優しく迎えてくれました。とてもゆっくり,丁寧に説明してくれたおかげで,英語にはなにも困ることなく,不安だった痛みは,まさかの親知らずの虫歯が原因だったことがわかりました。抜く以外の選択肢はないと宣告され,オーストラリアで親知らずとお別れしました。

 しかし,2か月後。また違う歯に痛みを抱え,I came back! と歯医者に戻っていったのは笑い話です。この出来事からは色々と学ばされましたが,電話予約や症状を伝えるなど英語で伝えられたことを通して,英語に自信がつくというベネフィットもありました。

そんな私からのアドバイスは,なんであろうと虫歯がなかろうと日本で歯医者には絶対に行くこと!!そして,それでもオーストラリアで歯医者に行かなければならなくなったときは、腹を括っていきましょう。

その前に英語が不安なら最大限の用意をすることをお勧めします。電話予約で聞かれるであろう名前・電話番号・住所・生年月日・もしかしたらID・symptoms。料金が心配ならそれに関わるvocab.・sentences。あとは問診票にはdiabetesやasthmaなどの医療ワードがあるのでそれを想定しておくと焦らないかと。不安な気持ちはわかりますが,この経験から英語をたくさん学ぶこともできましたよ~。wisdom tooth 忘れることはないでしょう。


留学を振り返って&メッセージ

まだ,この経験が自分の人生にどう影響するかはわかりませんが,今のところ自分のこの決定に満足しています。私は,TESOLを取ること,日本に帰国した後は初等英語に再び関わることを目標にこの1年の生活を送ってきました。仕事を辞める際,たくさんの方々が後押し,応援してくれた手前,中途半端なことはできない・恥はかけないと意地になっていた部分もあるかと思います。しかし,寧ろそれが私の支えになっていたかもしれません。



人それぞれ異なった目的・異なった背景があって海外での生活を決定すると思います。
その自分の決定・気持ちに満足できるようオーストラリアでの生活を楽しめばよいと思います。私の場合は,「英語」が一番の目的だったので,それを達成すべく邁進できたので良かったです。

私が出会った先生の一人は,毎回セッションの初めに,何がゴールかそのための戦略はなんだと細かく考えさせました。「英語を使って友だちが作りたい,仕事がしたい」そういう生徒は多かったですが,その先生は容赦なく切り捨てます(笑)”VAGUE!“曖昧だと。”specific”それが必要とよく言っていました。



今,「英語」ということに特化して留学を考えている人には私の言葉は役に立つかもしれません。私は.はっきり言って日本にいたことは忙しかったのであまり細かいプランは立てていませんでした。

こちらへきてからTESOLを取るにはこのレベルにいつまでに達しなければいけないと逆算し,計画を立てました。おかげで思ったよりも早く,必要条件をクリアできたので,ケンブリッジFCEもやりきることができました。大きな目標に対してどのようにアプローチするのか,いつまでに・何を・どうやってということを考えると帰国することには「英語」がきっと伸びたなと実感できるのではないかと思います。私の経験より。


スタッフより

日本の教育現場での変化に対応するために、語学留学を決心した宏美さん。勇気のある決断のお陰で、英語力だけでなく多くのことを学ばれました。
ご帰国後は再び小学校教諭へ復職予定とのこと。ブリスベンでの経験を生かし、多くの子ども達に英語を学ぶ楽しさを伝えていってほしいと思います!