緊急時の対応・緊急連絡先
オーストラリア留学は素晴らしい経験となる一方で、緊急時の備えも不可欠です。このページでは、様々な緊急事態を想定し、必要な連絡先と取るべき行動をまとめています。 安全な留学生活を送るため、ぜひ参考にしてください。
困った時の主な連絡先
連絡先 | 主な利用シーン |
---|---|
000 (緊急電話番号) | 生命に関わる緊急事態 (警察、消防、救急が必要な場合) |
131 444 (警察アシスタンスライン) | 緊急ではない警察への連絡 (盗難届、相談など) |
Emergency+アプリ | 緊急時・非緊急時の警察、消防、救急、SESへの連絡。位置情報送信機能付き。緊急度の判断に迷う場合にも |
TIS (日本語通訳・翻訳サービス) | 緊急時や医療機関などで、日本語での通訳が必要な場合 (電話: 131 450) |
日本大使館・総領事館 | パスポート紛失、盗難、事件・事故、安否確認など (日本国籍の方) |
GP (一般開業医) | 日常的な体調不良、軽い怪我など (事前に予約が必要な場合が多い) |
緊急時は「000」
緊急電話番号 000 は、生命に関わる緊急事態 (警察、消防、救急) に対応する、オーストラリア全土共通の番号です。緊急時、まずはこちらへ連絡しましょう。
利用シーン
- 交通事故、火災、建物火災に遭遇した場合
- 強盗、暴行などの犯罪被害に遭った場合
- 心臓発作、意識不明、重傷など、緊急を要する病気や怪我の場合
- その他、生命や財産に危険が及ぶ、一刻を争う事態の場合
連絡のポイント
- 落ち着いて、状況、場所、必要なサービスを明確に伝えてください。
- 場所を正確に伝えるため、住所や目印となる建物を事前に確認しておきましょう。Emergency+アプリ (緊急通報アプリ) を使うと、位置情報をスムーズに送信できます。
- 英語での説明に不安がある場合は、「Japanese interpreter, please. (日本語通訳をお願いします)」と伝え、TIS (日本語通訳・翻訳サービス) の通訳を依頼してください。
緊急ではないけど警察に連絡が必要「131 444」
警察アシスタンスライン 131 444 は、緊急でない警察への連絡 に利用できます。緊急性の低い事件・事故の届け出、相談、その他の一般的な警察対応が必要な場合に利用できます。
利用シーン
- 軽微な盗難被害 (置き引き、自転車盗難など) の届け出
- 騒音トラブル、迷惑行為、いたずらなどの相談
- 落とし物、忘れ物の問い合わせ
- 過去に発生した事件に関する情報提供
- 警察への一般的な相談・問い合わせ
- 緊急ではないものの、警察の対応が必要と思われる場合
注意点
- 強盗、暴力事件、ひったくりなど、緊急性の高い事案の場合は、必ず「000 (緊急電話番号)」へ連絡してください。
- 131 444 (警察アシスタンスライン) は、緊急事態には対応していません。
- 通話料がかかる場合があります (固定電話からの通話は市内通話料金、携帯電話からの通話は契約プランによります)。
緊急通報アプリ「Emergency+」を利用する
Emergency+アプリ は、オーストラリア政府公式の無料緊急通報アプリです。緊急時の迅速な連絡と、正確な位置情報伝達をサポートします。緊急時以外にも、日常的な現在地確認や主要連絡先の確認などにも利用できるので、スマートフォンにインストールしておくことを強くおすすめします。
主な機能
- 緊急電話番号「000」、警察アシスタンスライン「131 444」、SES (州・地域緊急サービス) など、複数の緊急連絡先へのアクセスが容易になります。
- GPS機能 を使うと、現在地情報を緊急サービスへ正確に伝達できます。口頭で場所を説明する手間が省け、より迅速な対応に繋がりやすくなります。
- オーストラリア国内の主要な緊急連絡先を、アプリ内で一覧表示できます。
利用方法
- アプリを起動し、状況に応じて「Emergency 000」または「Police Assistance」などの連絡先を選択します。
- GPSが有効になっていることを確認し、アプリが自動的に現在位置情報を取得するのを待ちます。
- 選択した連絡先のボタンをタップし、電話をかけてください。
- オペレーターに状況を説明してください。英語での説明が難しい場合は、TIS (日本語通訳・翻訳サービス) の利用を申し出てください。
ダウンロード:
- Emergency+ 公式サイト (アプリの詳細情報や、ウェブ版へのアクセスはこちら)
日本語通訳サービス (TIS)
英語でのコミュニケーションに不安がある場合は、日本語通訳・翻訳サービス (TIS) を利用できます。オーストラリア政府が提供する無料のサービスです。
利用シーン
- 緊急電話番号「000」や警察アシスタンスライン「131 444」に電話する際
- 医療機関 (GP (一般開業医)、病院、薬局) で受診する際
- その他、公共機関やサービスを利用する際に、英語でのコミュニケーションに困った場合
利用方法
- 000 (緊急電話番号) や 131 444 (警察アシスタンスライン) に電話する際は、オペレーターに「Japanese interpreter, please. (日本語通訳をお願いします)」と伝えてください。
- 医療機関では、受付で「通訳をお願いします (Interpreter please)」と伝えてください。
- TIS (日本語通訳・翻訳サービス) へ直接電話することも可能です。電話番号: 131 450
- 詳細: https://www.tisnational.gov.au/en/ (TISウェブサイト)
パスポートを紛失した時
パスポートを紛失した場合は、オーストラリアに滞在する日本国民を支援する日本大使館・総領事館にご連絡ください。パスポートの再発行手続きや、その他緊急時の相談ができます。
主な支援内容
- パスポートの再発行手続き
- 犯罪被害や事故に関する相談、支援
- 安否確認、緊急連絡
- 弁護士や通訳の紹介
- その他、緊急時の困りごと相談
連絡先
- 在オーストラリア日本国大使館 (キャンベラ)
- 住所: 112 Empire Circuit, Yarralumla, ACT 2600
- 電話: (02) 6273 3244
- ウェブサイト: https://www.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
- 在シドニー日本国総領事館
- 住所: Level 12, 1 O’Connell Street, Sydney NSW 2000
- 電話: (02) 9231 1244
- ウェブサイト: https://www.sydney.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
- 在メルボルン日本国総領事館
- 住所: Level 25, 570 Bourke Street, Melbourne VIC 3000
- 電話: (03) 9679 4510
- ウェブサイト: https://www.melbourne.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
- 在ブリスベン日本国総領事館
- 住所: Level 17, 12 Creek Street, Brisbane QLD 4000
- 電話: (07) 3221 5188
- ウェブサイト: https://www.brisbane.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
- 在パース日本国総領事館
- 住所: Level 22, 140 St Georges Terrace, Perth WA 6000
- 電話: (08) 9220 1800
- ウェブサイト: https://www.perth.au.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
緊急事態が発生した場合は、速やかに最寄りの大使館・総領事館へ電話連絡し、指示を仰いでください。
盗難被害に遭った時
盗難被害 (パスポート以外) に遭った場合は、以下の手順で対応しましょう。
- 冷静な状況把握: まずは、何が盗まれたのか、どこで盗まれたのか、いつ頃盗まれたのかなど、状況を整理し、落ち着いて把握してください。
- 警察への届け出:
- 盗難、スリ、置き引きの被害に遭ったら、警察に届け出を行うようにしてください。
- 緊急性の低い被害の場合は、警察アシスタンスライン「131 444」に電話連絡してください。
- 緊急性の高い被害や、犯人が特定できそうな場合は、緊急電話番号「000」に連絡することも検討してください。
- 警察への届け出の際には、被害状況を詳しく説明し、ポリスレポート (警察被害届受理証明書) を必ず発行してもらいましょう。ポリスレポートは、保険請求やパスポート再発行の手続きに必要となります。
- 日本大使館・総領事館への連絡: パスポートや重要な書類が盗まれた場合は、速やかに日本大使館・総領事館に連絡し、指示を仰いでください。
- クレジットカード会社・銀行への連絡: クレジットカードやキャッシュカードが盗まれた場合は、不正利用を防ぐために、すぐにカード会社や銀行に連絡し、利用停止手続きを行ってください。
- 保険会社への連絡: 加入している海外旅行保険会社へポリスレポートを提出し、保険金の請求手続きを行ってください。
虚偽の申告は絶対にしないでください。詐欺罪に問われる可能性があります。
交通事故を起こした時
- 相手の情報を確認: 相手の運転免許証、車両登録情報、保険会社名などを確認してください。
- 自身の情報を開示: ご自身の運転免許証、車両登録情報、保険会社名などを相手に開示してください。
- 事故現場の記録: 可能であれば、事故現場の写真を撮影しておきましょう。
- 保険会社への連絡: ご自身と相手方の保険会社に事故の状況を連絡し、今後の対応について指示を受けてください。
保険未加入の場合、裁判に発展する可能性もあります。英語に不安がある場合は不利な状況になることも予想されるため、弁護士や通訳のサポートが必要となる場合もあります。運転する際は安全運転を心がけ、万が一に備えて対人・対物保険に加入しておくことを強くお勧めします。
喧嘩に巻き込まれた時
オーストラリアも日本と同様、暴力行為は一般的に違法であり、自己防衛の場合を除いて、他人を傷つけることは許されていません。たとえ自分が原因ではなくても、手を出したり暴力を振るう行為自体が違法と見なされます。暴力的な喧嘩が起きたら、冷静にその場を離れることが大切です。安全な場所に移動し、必要であれば警察や周囲の人に助けを求めましょう。
火事を起こしたり、目撃した時
- 消防署 (000) に連絡し、火災の状況を伝えてください。
- 避難誘導: 周囲に人がいる場合は、安全な場所へ避難誘導を行ってください。
オーストラリアでは、ほとんどの建物に火災報知機が設置されており、タバコの煙などにも反応することがあります。喫煙場所には十分注意してください。誤報で消防車が出動した場合、罰金が請求されることがあります。
「Smoking Free (スモーキングフリー)」は禁煙を意味します。喫煙可能な場所かどうかを必ず事前に確認しましょう。
体調を崩した時
体調を崩した場合の、症状や緊急度に応じた医療機関の利用について説明します。
GP (一般開業医)
日常的な体調不良、軽い怪我の場合

病気やケガをした場合は、まず GP (General Practitioner:一般開業医) を受診しましょう。専門的な治療が必要と判断された場合はGPから専門医 (Specialist) を紹介してもらえます。
- 受診は予約制です (電話またはオンラインで予約)。当日予約や予約なし (walk-in) で診察可能なクリニックもあります。
- 受診時には、OSHCカード/加入証明とパスポートを必ずご持参ください。
- GP (一般開業医) を受診する際は、症状を詳しく伝えられるようにメモを準備しておくと安心です。
- 専門医の受診には、GPからの紹介状が必要です。
病院
緊急性の高い症状、専門的な治療が必要な場合
- 緊急性の高い症状 (意識不明、呼吸困難、激しい痛み、大量出血など) の場合は、000 (緊急電話番号) に電話して救急車を呼ぶか、最寄りの病院の救急外来 (Emergency Department) へ直接向かってください。
- 緊急時以外で病院を受診する場合は、GP (一般開業医) の紹介状が必要となる場合があります。事前にご確認ください。
- オーストラリアには公立病院と私立病院があり、加入しているOSHCのプランによって利用できる病院が異なります。事前に保険内容をご確認ください。
薬局
薬の購入や薬剤師への相談

- 処方箋医薬品は、GP (一般開業医) や病院で発行された処方箋を薬局に持参して購入してください。
- 一般用医薬品 (OTC医薬品) は、処方箋なしで購入できます。風邪薬、鎮痛剤、解熱剤、胃腸薬、絆創膏など、様々な種類の薬が販売されています。薬剤師や薬局スタッフに相談して、症状に合った薬を選びましょう。
- 薬局の薬剤師は薬の専門家です。薬の服用方法、副作用、飲み合わせ、健康相談など、気軽に相談することができます。英語での相談に不安がある場合は、TIS (日本語通訳・翻訳サービス) の利用をご検討ください。
- 薬の用量は、オーストラリア人向けに設計されている場合があります。体格が小さい方や高齢の方、持病のある方は、医師や薬剤師に相談して適切な用量を確認するようにしてください。
- オーストラリアには、大型チェーン薬局 (Chemist Warehouse、Priceline Pharmacy など) や地域密着型薬局など、様々な薬局があります。
Health Direct
Health Direct (ヘルスダイレクト) は、オーストラリア政府が運営する24時間年中無休の健康相談窓口です。緊急性が高い症状ではないものの、健康に関する相談をしたい場合や、医療機関を受診するべきか迷う場合に利用できます。Health Direct では、看護師や医師などの専門家が健康相談やアドバイスを提供しています。
- ウェブサイト: https://www.healthdirect.gov.au/
- 電話番号: 1800 022 222
相談窓口
留学生活での悩みや不安、精神的な不調を感じた際には、一人で抱え込まずに以下の窓口へ相談しましょう。
- Lifeline: 24時間対応の電話相談サービスです。危機的な状況にある場合や、生きているのが辛いと感じる時に利用できます。
ウェブサイト:https://www.lifeline.org.au/ - Beyond Blue: 気持ちが不安定な時など、メンタルヘルスに関する情報提供とサポートを行っています。
ウェブサイト: https://www.beyondblue.org.au/ - Headspace: 12歳から25歳までの若者を対象とした、メンタルヘルス、身体的健康、仕事、学習に関するサポートを提供しています。
ウェブサイト: https://headspace.org.au/ - 学校のカウンセラー: 学校生活の悩みについて相談できます。
- GP (General Practitioner:一般開業医): 必要に応じて、精神科医や心理療法士を紹介してもらえます。
これらの相談窓口は、多くの場合、無料で利用できます。日本語での相談が可能な窓口については、各サービスのウェブサイトをご確認ください。
安全な留学生活のために
より安全な留学生活を送るために、日ごろから以下の点に備えておきましょう。
安全な留学生活のために
- 貴重品の管理を徹底する: パスポート、現金、クレジットカード、スマートフォンなどの貴重品は、常に身につけて管理するように心がけてください。バッグは体の前に抱え、常に視界に入れておくようにしましょう。
- 場所と状況への注意: 人混み (観光地、公共交通機関、イベント会場など) では、特に盗難やスリに注意が必要です。夜間の一人歩きや、治安が悪いとされるエリアは避けるようにしてください。レストランやカフェなどで席を離れる際は、貴重品を置いたままにしないように注意しましょう。
- 防犯意識の向上: 周囲に警戒し、不審な人物や状況に注意を払いましょう。多額の現金をを持ち歩かないようにしましょう。
- 在留届の提出:3ヶ月以上滞在される方は、在留届の提出が義務付けられています。 日本大使館・総領事館からの緊急連絡や、安否確認のために非常に重要です。必ずオンラインで提出してください。 (ORRネット)
在留届を提出するも参考にしてください。 - 緊急連絡先リストの作成と確認: ご家族、ご友人、学校、日本大使館・総領事館、OSHC、現地の友人など、緊急時に連絡を取るべき相手の連絡先をリスト化し、常に携帯し、定期的に内容を確認するようにしましょう。
- 通信手段の確保と活用: インターネットに接続できる環境を確保しましょう。Emergency+アプリ (緊急通報アプリ) や翻訳アプリをスマートフォンにインストールしておくことは、緊急時の情報収集やコミュニケーションに大変役立ちます。
- 現地情報の収集: 外務省海外安全ホームページ、現地のニュースサイト、SNSなどを活用し、治安情報、天候、交通情報などの最新情報を定期的に確認し、危険な場所や状況を避けるように心がけましょう。
まとめ
オーストラリア留学を安全に、そして安心して過ごすためには、事前の準備と緊急時の正しい対処法を身につけておくことが大切です。万全の準備を整え、実りある留学生活を送ってください。