2023年3月30日
Certificate 4 in TESOLの体験談
最終更新日:
- 2023/04/04 - 15:04
大学院卒業後は、英語の教員として就職予定のJYOさん。オーストラリアで英語を教えることができる資格でもあるCertificate 4 in TESOLと英語コースを学ぶ、合計8ヶ月のご留学体験談です。
留学のきっかけを教えて下さい。
英語教員として生徒に英語を教えるにあたって、就職前に「英語が主に使用されている環境下で、実際に生活をした」という経験を得ておきたいと思ったためです。時期はちょうどパンデミックに伴う規制が緩和されたため、2022年の渡航となりました。
Certificate IV in TESOL(以下、TESOL)を開講している学校を探したところ、IH以外は開講がされていなかったことから、学校はスムーズに決まりました。
Cert 4 in TESOLで学んだ内容を詳しく教えてください。
●Online Component(以下、オンライン)(4週間):事前自主学習
専用のプラットフォームがあり、動画を視聴したり、Lesson planを考えたりと、様々なタスクがあります。しかし、コミュニカティブな(コミュニケーションをとるような)活動は一切ありません。完全に自習のため、自分のペースで進めることができます。
課題を期限までに提出すれば問題ないため、4週間で終える内容ではありますが、毎週決められた進度で進める必要はありません。例えば、4週間より短い期間で終えても良いですし、4週目から取り組み始めても問題ありません。(私は1週目から毎日一定のペースで進め、3週間で終えました)。
●Methodology(4週間):教授法理論
【月~木曜日】
12:30 – 16:00:講義
講義を通して様々な知識を身につけることになりますが、講義自体がコミュニカティブなため、退屈することは一切ありませんでした。
16:00 – 18:00:Peer Teaching(以下、PT)のための準備
【金曜日】
12:30-:PT
3~4人グループで授業(一人あたり10~15分)をします。学生役は他の受講生です。
PTを終えたら、先生と他の受講生からのフィードバックの時間があり、それを終えたら各々で振り返りシートを提出することになります。振り返りを終えたら各自解散となったため、金曜日は普段よりも早く帰宅できました。
また全4週間の内、先生の授業を観察する機会が2回あります。私たちの場合、General English(以下、GE)の先生の授業を観察しました(観察する時間は2時間です)。授業観察がある日は、10:00に集合し、16:00に解散しました。
●Teaching Practice(以下、TP)(6週間):実践授業
毎週1~2回、45分の授業をします。こちらは完全に1人ですることになります。
PTと異なり、受講生(学生役)はIHシドニー(以下、IH)の学生(TESOLの受講生ではなくGEや他の授業を受けている実際の学生のこと)だけでなく、一般の方も参加します(何人の方が授業に参加するかは当日になるまで分かりません。その上、授業開始後に受講生がやってくることも多々あるため、念のためハンドアウト等を多く準備しておく必要があります)。
Certificate 4 in TESOLでは授業を8回する必要があるため、1週間の内に2回授業をする週が2回あります。PTと同様、授業後はフィードバックの時間が設けられ、その後に振り返りシートを提出することになります。
Certificate 4 in TESOLでは、実習の振り返りシートなどの提出物とは別に、提出課題が7つあります。その内の2つは最初のオンライン中にあり、残りの5つはMethodology内でお知らせがあります。こちらに関しては提出期限の数週間前にお知らせがあるため、余裕を持って課題に取り組むことができると思われます。
授業を受けてみてどうでしたか??
●オンライン
教授法等に関して広範囲に亘って学ぶことができるため、今後の教師生活でも活かすことができると思います。また、IHではFree Lessonが開講されることがあるため、オンラインで学んだことを復習するために参加してみると、様々な気付きが得られます。
なお、Free Lessonの先生はTESOLやCELTAの受講生のため、我々の先輩にあたる方々になることから、(可能であれば)気になる点等を休み時間等で質問しても良いのかなと思います。
●Methodology(理論)
オンラインで学ぶことと重複している点が多々あるため、復習になります。またPTがあるため、オンラインやMethodologyで学んだことを、自分なりに吸収して実践する機会が4回得られることから、自分のスタイルを模索する絶好の機会となり得ます。
●TP(実習) :IHの学生に限らず、一般の方も学生として参加してくださるので、緊張はするものの、我々の授業に対する忖度なしの言わば本物の反応が得られるという点で、この6週間は大変貴重な期間となるでしょう。
総じて大変満足しております。当然のことかもしれませんが、復習を徹底して、自分なりに各授業に対し目標を設定して臨めば、得られることはとても多いと思われます。
一番楽しかった授業・大変だった授業は何でしたか?
TESOL(特にTP)です。授業実践に関して挑戦ができるためです。そして、PTやTPを通じて自分のスタイルを確立していく過程は、大変な点も多々ありましたが、全体的に充実感を得られるものでした。これは実際に経験してみればわかります。
そして、一番大変だった授業もTESOL(特にTP)です。実際に授業をする中で学生の反応を確認してみないと、自分の授業がどのようなものか分からないためです。
PTやTPといった授業実践のための機会が豊富に設けられている(計12回)という点が、IHのTESOLの一番のお薦めポイントです。
クラスメートや先生について教えてください。
TESOLの受講生は私を含め7名で、韓国出身の方とベトナム出身の方が一名ずつおり、他は皆日本出身でした。理論を教授してくださる先生は一人ですが、PTの際には別の先生が評価を担当してくださいました。
TPの評価担当者は、Methodologyで担当された先生方以外にも何名か他の先生がいらっしゃいましたが、特に気にする必要はなく、ご自身のTPの準備を十分にしていれば問題はないと思われます。
Methodologyの初回授業の際に、コースの詳細等が記載された資料が配布されますが、実際のところ先生方や職員の方々はフレキシブルに対応してくださいますので、心配は無用です。
卒業後のインターンシップはどうでしたか?
日本人スタッフの方にインターンシップへの参加条件を尋ねたところ、詳細を教えてくださいました。(スタッフ注:インターンシップはオプションです)
インターンシップの期間は2週間で、500ドルの費用がかかりました。私の場合、指定された先生の授業に配属され、授業を含むクラス全体を観察することがメインでした(私は3名の先生の授業を観察することができました)。そこでは、先生方がどのように授業を運営しているかを観察し、その上で気になった点を授業後やメールを通じて相談することができました。
授業観察をする中で、学生が活動に取り組む際には、クラスをモニタリングし、時には学生の質問に対応することが許されていたため(先生により対応が異なる可能性があります)、学生と接する機会は多かったです。また、幸いにも先生の授業の一部(4時間中2時間)を担当させていただくという大変貴重な経験も得ることができました。
学校の雰囲気について教えてください。
学校全体の雰囲気は基本的に賑やかですが、勉強に集中できないほどではないです。(ただ、集中して勉強したい方の中には、周辺の図書館で勉強している方もいました)。
そのため、ランチの時間などに「こちらの席に座っても良いですか?」等、他の学生に話しかけることにより、英語によるコミュニケーションの機会を作り出すことが可能です。
英語を伸ばすためにやってきたこと、現地で気をつけていたことやアドバイスがあれば教えて下さい。
できるだけ日本語環境を避け、英語環境を作ることです。
学校にはTESOLや児童英語教授法コースなど、日本人に人気のコースが開講していることから、日本人が多数在籍しています。ほぼ毎日どこかで日本語を耳にしてしまうという点において、学校にいるだけでは、完全に英語のみの環境下に身を置けるとは言えません。
オーストラリアに来て間もない頃は不安もあるはずなので、日本人がいると安心して話したい欲求に駆られてしまう可能性があります。しかし、何のために留学をしたのかという目的を常に意識することにより、すべきことと極力控えるべきことが明確になると思われます。
私はTESOLを受講する前に英語のクラスを受講していたのですが、できるだけ多くの時間勉強をしたいと思ったため、セミインテンシブからインテンシブに変更しました。ただ、英語のコミュニケーション力アップを目指すためであれば、インテンシブに変更するより、授業やランチの時間に友人を作ってどこかに出かける方が、英語力の向上には役立つかと思います。
留学の準備について
●しておいて良かったこと
オンライン英会話(出国までに約8か月間受講)、文法書を熟読しておいたこと。
●しておけば良かったこと
リスニングの勉強にもっと時間を割くべきでした(毎日一定の時間をリスニングのための時間とすべき)。
●しなくても良かったこと
英語学習に関する書籍を4冊(文法(中級)、文法(上級)、phrasal verbs、collocation)持っていきましたが、文法書1冊(中級)で十分でした。
シドニーの留学生活の中で、思い出に残っていることは何ですか??
シドニー到着初日にタクシーでぼったくりにあったことです。
タクシーに乗る前に確認しなかった私にも非がありますが、到着初日でそこまで考えられる精神的余裕がなかったことも事実です。空港から出ると、タクシー乗り場があり、待ってましたとばかりに声をかけてきます(これは空港内に遍在する携帯会社にも共通しています)。皆さん、お気をつけて笑
シドニーは観光地がたくさんあるため、勉強だけでなく、観光もしたいという方にとってはとても魅力的な都市です。
私はThe Royal Botanic Gardenが気に入りよく行っていました。シドニーに留学をしたら、是非行ってみてください。
今後の目標について教えてください。
「英語教員として生徒に英語を教えるにあたって、英語が主に使用されている環境下で実際に生活をしたという経験を得る」という当初の目標が達成できたため、今回留学をして良かったと思っています。
そして、「なぜ英語を勉強する必要があるのか」に関して、経験を通じて考えたことを生徒とシェアすることにより、一人でも多くの生徒に英語学習の必要性に気付いてもらえるような授業ができる教員になることが私の目標です。
今後はこの目標を達成するために頑張っていきます。