2015年1月25日
OSHC(海外留学生健康保険)
最終更新日:
- 2016/03/23 - 15:03
OSHC(海外留学生保険)とは
学生ビザでオーストラリアに滞在する場合、OSHC (Overseas Student Health Cover-海外留学生健康保険)と呼ばれる保険に加入することが義務付けられています。
これはオーストラリア滞在中にかかった病気、怪我などの治療費や救急車の費用などをカバーするもので、コースの期間に関わらず、学生ビザの期間分、加入する必要があります。
このOSHCは主に、オーストラリアの民間最大手保険会社、メディバンク・プライベートによって取り扱われ、各学校により契約保険会社が違います。通常は、学費納入の際、OSHCの保険料を支払いますが、学校によっては、個人でOSHCの申し込み手続きをするよう案内されることもあります。
OSHCの保険適用範囲
それではどのような時にOSHCが適用されるのでしょう。
項目
OSHC
保険の適用範囲
医師による治療費
○
病院以外の場所での場合、医療費の85%がカバーされます。病院にての治療の場合には、医療費の100%がカバーされます。 但し、いずれの場合も、MBSと呼ばれる医療費の基準額を超えている場合は、差額は本人負担となります。
血液検査などの病理検査
○
レントゲン検査
○
公立病院での治療費、入院費
○
基準額を超える場合の差額を除いて、全てOSHCによりカバーされます。
私立病院での治療費、入院費
○
ほぼ全ての私立病院での医療費がカバーされますが、基準額を超える場合の差額は自己負担となります。
救急車費用
○
緊急時の救急車使用の費用は、OSHCでカバーされます。
処方箋薬
○
避妊ピルなどの特定の薬を除き、ほとんどの処方箋薬がOSHCの対象です。また、50ドルを超える薬に対しては、自己負担です。1年間で150ドルを超える場合は、差額の補償はありません(ファミリー・プランの場合は、300ドルまで)。
歯科治療
×
OSHCでは一切カバーされません。留学前に歯はしっかり治療しましょう。オーストラリアは歯の治療費が非常に高いからです。
眼鏡、コンタクトレンズ
×
メガネ、コンタクトレンズについても、OSHCでは一切カバーされません。コンタクトレンズは現地の眼鏡屋で購入することができ、使い捨てコンタクトレンズは、1セット17ドル程で購入できます。
物理療法
×
OSHCでは一切カバーされません。
オーストラリア入国前から患っている持病や障害、またオーストラリア入国前から取り決められていた治療
×
OSHCでは一切カバーされません。
オーストラリア国外での治療費、入院費
×
OSHCでは一切カバーされません。
不妊治療
×
OSHCでは一切カバーされません。
公立病院での個室部屋費用
×
OSHCでは一切カバーされません。
整形手術
×
OSHCでは一切カバーされません。
死亡時
×
OSHCでは一切カバーされません。
ビザが3ヶ月以内の場合の妊娠に関する医療費(流産、早産なども含む)
×
OSHCでは一切カバーされません。
盗難、破損
×
OSHCでは一切カバーされません。盗難、破損などは海外旅行保険でカバーされますので、渡豪時には両保険に加入することをオススメします。
OSHCが適用される保険期間
コース開始日~出国日までカバーされます。
※オーストラリア現地で加入した場合は、OSHCの保険費用を支払った日より保険の対象期間となります。
OSHCを取り扱う保険会社
オーストラリアにはいくつかの保険会社がありますが、OSHCを取り扱う保険会社は、それほど多くありません。多くの語学学校では、入学手続きの際
Medibank Private もしくは、
Worldcare Assist に加入を依頼しますが、以下のご自身でOSHCに加入頂くことも可能です。
保険プランとしては、シングルプランとファミリープランの2種類が用意され、3人以上OSHCに加入する必要がある場合は、ファミリープランがオススメです。しかし学生ガーディアンビザを申請する際は、OVHCを申請する必要があるため、ファミリープランが利用できない場合もありますから、ご注意ください。
なお、OSHCの費用は保険会社により、若干の違いがありますが、多くの方は学校指定のOSHCに加入しています。学校指定のOSHCに加入いただかない場合、ご自身で保険の契約を頂く必要があるためです。
OSHCに関するFAQ
Q.
OSHCの保険カードは、いつもらえるのですか?
A.
通常、学校のコースが開始してから、学校にて受け取ります。
Q.
観光ビザや、ETAS、ワーキングホリデー・ビザで学校に通う場合にもOSHCに加入できますか?
A.
はい。3ヶ月プランに加入することができます。
Q.
学校を途中で延長または、他校に進学した場合、OSHCも延長する必要がありますか?
A.
はい。学校延長の手続き後/または、他校の転校手続き後、保険会社にて直接OSHCの延長手続きを行います。
Q.
OSHCの加入手続きはいつ行えばよいのですか?
A.
学校によっては、個人でOSHCの申し込み手続きをする場合もありますが、通常は、通学予定の学校が手続きの代行をします。従って、OSHCの費用は学費と一緒に、学校に支払います。
Q.
学校のコースが開講しなかった場合、支払ったOSHCの保険代はどうなるのですか?
A.
保険会社へ返金の請求が可能です。
Q.
OSHCの最低加入期間はどのくらいですか?
A.
2015年現在「学生ビザ期間中をカバーすること」が原則です。つまり、コース自体が12ヶ月でも、通常は2ヶ月追加された学生ビザが発給されますから、14ヶ月分のOSHC加入が必要となります。仮に13ヶ月としてOSHCを申込み、結果的にそれ以上のビザが発給された場合、残りの分を、最寄りのOSHC扱い保険会社で、延長手続きを行います。
Q.
海外旅行保険に加入していても、OSHCに加入する必要がありますか?
A.
OSHCは学生ビザ申請の際に、加入が義務付けられている海外留学生保険です。そのため、海外旅行保険加入の有無に関らず、加入する必要があります。しかし、OSHCは盗難、破損、事故などがカバーされていませんから、渡豪の際は両保険に加入することをオススメします。
保険費用の請求方法
OSHC保険費用の請求方法には、以下の2通りがあります。
医療費を支払い、保険会社に現金または小切手で返金の請求をする。
医療費の請求書を保険会社に提出する。その後、保険会社より保険でカバーされる額分の小切手が送られてくるので、その小切手とともに、医師のところに医療費の支払いに行く。
保険会社と特別に提携をしている病院、医師の場合、医療費の請求が、病院より直接保険会社に行われるため、手続きが簡単です。診察を受ける前に、各病院で確認されることをオススメします。
※処方箋薬の費用に関しては、薬局にて支払いを済ませた後に、保険会社へ請求が必要です。
扶養家族の保険加入
留学生が本人のみで学生ビザを取得し渡豪する場合、「シングル・プラン」という種類の保険に加入します。配偶者や扶養家族とともに学生ビザにて渡豪する場合、「カップル・プラン」「ファミリー・プラン」という種類の保険に加入し、オーストラリアに同行する全ての家族が被保険者となる必要があります。
歯の治療は、オーストラリア留学前に!
オーストラリアで歯医者にかかると、高額の治療費が必要となりますが、OSHCでは歯の治療費はカバーされません。長期留学をお考えの方は、歯の治療をカバーする海外旅行保険の加入とあわせ、日本で歯の治療を済ませてから、渡航をすることをオススメします。
上記の通り、OSHCはオーストラリア滞在中の医療費をカバーする保険です。盗難や事故の賠償責任などは保険の対象にはなりませんし、OSHCがカバーする費用はあくまで保険会社によって決められますから、併せて日本の海外旅行保険に加入することをお勧めします。
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