2019年6月17日

オーストラリアの仕事事情(2024年度版)

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2023年〜2024年度にかけて、「出稼ぎワーホリ(ワーキングホリデー)」という名称も多くのメディアで取り上げられ、オーストラリアで働くことに注目が集まりました。

ですが、実際のところはどうなのか?このページでは現地の学生の情報を下に、少し踏み込んで、お話をしたいと思います。

オーストラリアの雇用形態について


まず、オーストラリアは世界一最低賃金の高い国ですが、それぞれの雇用形態によって、条件や給与面が変わります。

オーストラリアの雇用形態には、「フルタイム(Full-time)」、「パートタイム(Part-time)」、「カジュアル(Casual)」の三種類に分かれます。

フルタイム

週38時間以上の勤務が保証されていて、個人休暇や有給休暇、祝祭日時の給料もでます。また、フルタイムの契約方法としては、Permanent(無期限契約)とFixed-Term(有期限契約)があります。

所謂、正社員と呼ばれる方は、このフルタイム契約になることがほとんどです。

パートタイム

フルタイムとの違いは「雇用時間の保証」で、原則週38時間以上の勤務保証はありません。その為、基本的にはフルタイムスタッフよりも勤務時間は短くなり、フルタイム契約のステップ(カジュアルやパートタイムの働きぶりで、フルタイム契約に変更を目指す)として、パートタイムで働かれる方も多くいます。

ただ、パートタイム契約であっても、フルタイムスタッフと同じく「週38時間以上勤務」した場合は、フルタイム契約と同じく有給休暇等の権利を得られます(ちなみにフルタイム雇用では年に4週間、パートタイムでは働く時間数に応じて有給休暇が与えられます)。

また、こちらもPermanent Part-time(無期限契約)とFixed Term Part-time(有期限契約)があり、一日の最低勤務時間は3時間です。

カジュアル

勤務時間数とうの保証が一切無い雇用契約方法です。有給休暇等ももらえませんし、雇用契約解除の際に事前連絡等はありません。つまり、「明日から来ないでいい」というのも起こりえるわけですが、最低賃金がフルタイムやパートタイムよりも25%高くなります。

収入が安定しない分、給料は高めということですね。

学生ビザで就労する場合、就労時間は週20時間迄(2週間で40時間)という決まりが有るため、パートタイムまたはカジュアルで契約することがほとんどです。

ワーキングホリデービザであれば、フルタイム、パートタイム、カジュアルのいずれの選択肢もあります。同一雇用主の元、最長で6ヶ月までしか働けないという点を考えますと、比較的カジュアル契約が多い傾向にはありますが、シフト的に問題がないということでフルタイムやパートタイムで契約されている方もいます。

日本でも同じですが、何より大切なのは自分自身が勤務条件を理解しているということです。アルバイトをスタートする際は、自分自身の契約内容をしっかり確認しましょう!

仕事の見つけやすさはどうなの?

まず、2020年〜2021年は、新型コロナウイルスの影響もあり、留学生にとっては特別な期間でした。この点は州によっても状況は変わりましたが、例えばクイーンズランド州などは、比較的仕事が見つけやすい状況が続いていたと言えます。

ですが、2024年に入り、新型コロナウイルスの影響は全くと言っていいほどなくなりました。

加えて、今までやむをえずオンラインでコースを受講してきたTAFE、大学、大学院の学生も一斉に入国し、より仕事先の競争率が高くなりました。総合的に見れば、都市部で働くことは、数年前よりも難しくなり、数年前よりも高い英語力と技術が求められているのが現状です。

最低賃金はいくらなの?

現在の最低賃金については、オーストラリアのFairwork Commission(労働基準を決定する、政府機関)に記載がありますが、2024年7月1日以降の最低賃金は、フルタイムやパートタイム契約の場合、1時間あたり24.10ドル(日本円で約2,482円) または週あたり915.90ドルに変更となります。カジュアル契約は25%の上乗せとなりますので、1時間あたり30.13ドル(日本円で約3,103円)です。

ただ、この最低賃金の変更時期は、職業により変わります。詳しくは下記のAward(職業別)の情報をご確認ください。

https://services.fairwork.gov.au/find-my-award

まとめるとこのような感じです。
雇用形態フルタイムパートタイムカジュアル
最低賃金(時給)24.10ドル24.10ドル30.13ドル
有給・病欠ありあり無し
事前通告なしの解雇無し無しあり
就労時間の保証(週)38時間以上38時間以下無し

最低賃金でこの額は、驚きですよね。しかも、職種によっては、土曜や日曜日は1.5倍になることもあり、技術と英語力によっては、日本よりも高い時給で働くことが出来ます。

ただ、言い換えれば「うちの会社が、これだけ高い時給を払うだけの働きを、あはたは出来るの?」ということでもあります。オーストラリアだから楽して稼げるなんてことはありませんし、「英語力無いけど給料はたくさん頂戴!」というのは、無理な話です。

これだけのお給料をもらえるということは、それだけの能力(英語力を含め)を求められると考えましょう!

また、いわゆる「出稼ぎワーホリ」のような情報ですが、「出稼ぎ」と呼べる額がいくらなのかが曖昧な点にせよ、しっかりとしたお給料をもらっている方は実際にいます。

ですが、基本的には「英語力+技術」が求められている仕事をすることが大前提となり、現在のオーストラリアの物価を考えれば、どんなにファームや、飲食店等で働いても、「なんとか生活費を賄えるかどうか」の給与となることが殆どですから、耳障りの良い情報に惑わされず、これからワーキングホリデーで渡航を予定されている方は、注意してください!

仕事の種類とお給料


先述させていただいたように、オーストラリアの最低賃金は2024年7月1日以降、24.1ドル〜30.13ドルで推移します。そこから税金が差し引かれ、最終的に手取り額(実際受け取ることが出来るお金)が決定します。

例えば、2024年に入りアルバイトを開始された方の情報となりますが、その際にお給料を聞いてきましたので、以下を参考にしてみてください。
お仕事仕事内容時給
日本食レストランAホールスタッフ時給23ドル
日本食レストランBシェフ時給25ドル
メキシコレストランホールスタッフ時給27ドル
ラーメン屋Aホールスタッフ時給25ドル
ラーメン屋Bホール&キッチン時給12ドル
ラーメン屋Cホール&キッチン時給13ドル
韓国レストランAホール&キッチンスタッフ時給25ドル
イタリアンレストランAホール&キッチンスタッフ時給26ドル
ファーストフード店Aホール&キッチンスタッフ時給24ドル
ケーキ屋Aパティシエ時給26ドル
カフェAバリスタスタッフ時給27ドル
カフェBバリスタスタッフ時給14ドル
カフェCバリスタ&ホールスタッフ時給17ドル

様々な時給

「最低賃金以下の仕事もあるのか・・」と気がついた人もいらっしゃると思います。

2024年6月30日までは最低賃金は23.23ドルですが、それでも残念ながら、お店によって最低賃金以下で働かせているお店もあります。

もちろん、そのような給料形態は“違法”なわけですが、生徒さんによって「最低賃金以下でも働きたいから、良い仕事が見つかるまでのつなぎとして。。」ということで、やむを得ず最低賃金以下の環境で働く方もいます。もちろん、当社でも、そのような場所で働くことはオススメしていません!

ただ、法に触れている以上、お店からのリファレンスはもらえませんし、もちろん税金を払っていませんから、タックスリターンの対象にもなりません。いうなれば「お店にはいるけど、いない。幽霊スタッフ」のような形で、コソコソ働くことになるわけです。もちろん、正規雇用でないわけですから、首になる時もあっという間です。「今日でクビ」といわれても、文句の言いようがありません。

英語力と技術力が無い段階では、仕方が無いことかもしれませんが、そのような環境で働くことがないよう、英語力をしっかりあげましょう!

必要な英語力レベル


「気合と根性さえあれば、仕事見つかりますよね?」と質問を頂くことがありますが、もちろん、気合と根性も大事ですが、それだけでは無理です。やはり英語圏で働く以上、英語力は必須です。

では、どれくらいの英語力があれば、上記のような仕事に就くことができるのでしょうか。何頃も例外はありますが、ひとつの目安となるのが、語学学校のクラスレベルで言いますと、「Upper-Intermediate」です。

目標とするべきUpper-intermediate以上が必要ですし、良いお給料をもらうのであれば、まさにこのアッパーレベルは必須と言えます。

生徒さんのお給料を比較しますと、ローカルの仕事を見つけた方はやはり時給は良いです。日本食レストランが悪いということではありませんが、やはりしっかりとしたお給料をもらうためには、現地の人が納得する英語力を身につける→ローカルジョブを見つけるというのが、王道と言えます。