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オーストラリアの中等教育で、授業の風景はどんな感じか想像つきますか?
日本の学校とは違ってここがすごい!ここが面白い!というポイントを、今回はご紹介します。
■ここがすごい!:生徒が自立している
もちろん学校によって方針が異なるため様々な特色がありますが、授業においてまず言える日本との大きな違いは、生徒たちは各授業の度に教室を移動し、自分の好きな座席に着いて授業を受けることがあげられます。学級制度は学校によってはありますが、朝の会で出欠と伝達事項を確認するのが主で、あとは各自が選択した授業の教室にそれぞれ移動するので、固定の教室やメンバーが縛られていません。
日本では担任の先生が、時間割や生徒の学校生活に関してほとんどを管理をしてくれますが、オーストラリアではその多くが自分で責任を持ってやらなければならないことばかりです。また、ビクトリア州では、キャンプや課外授業を頻繁に取り入れる学校が多いため、突然の時間割変更は日常茶飯事なので、必ず生徒各自が毎朝自分で時間割変更がないかどうかを、所定の掲示板に確認するなどしなくてはなりません。このような積み重ねで、メルボルンの中学高校生達は、自己管理をきちんとするよう教育を受けてきているので、非常に自立した生徒が多いのが印象的です。
■ここがおもしろい!:ハウス制度
先程、オーストラリアでは学級に縛られないとお話しましたが、その代わりに「ハウス」という制度が一般的に導入されています。簡単に言うと、全学年の生徒たちが縦割りで4分割程度に振り分けられ、各ハウスがチームとして互いの面倒を見合うというものです。「ハリーポッター」をご覧になったことはありますか?映画の中で、学生たちは寮に住み、その寮がチームとして授業態度やスポーツなどで得点を競い合っていますよね?それと似たようなシステムです。
このハウスは通年同じチームに属することになるので、その中で上級生が下級生の面倒を見たり、スポーツ大会でハウスが一丸となって取り組んだりしています。教員も各ハウスに割り当てられますが、多くが生徒中心で自治が行われているので、生徒の帰属意識は学級よりも強いようです。
■ここがすごい!:最新の機材導入
近年、オーストラリア政府の方針で、9年生以上の生徒全員にノートパソコンを普及することが導入されてきています。現在ビクトリア州の多くの学校でも開始され、各自が常にノートパソコンを各授業に持って行き、それを使って授業を受けています。授業内容もパソコンをふんだんに使う授業に改革が進められていて、配布プリントの代わりにインターネットで課題を出し、その課題をメールで先生に提出するなどしており、中学高校生のほとんどがパソコンを使うことに不自由していません。
9年生以下の学年や、まだノートパソコンを支給されていない学年であっても、基本的に授業はホワイトボードと併用してプロジェクターでパソコンのデータを表示しながら授業を行うことが多く取り入れられていたり、データをUSBで生徒に共有したりするのが当たり前になっています。学校によっては、最新のiPadやiPod touchも授業その他で導入されていて、先生達もそのような時代の変化に伴い、最新の機材を使いながら授業案作成に創意工夫できることが求められています。
授業では、生徒が積極的に発言やディスカッションをするなど、生徒中心に進められて、より実践的で将来に役に立つような工夫がされています。オーストラリアの生徒たちは、幼稚園やプレップ(義務教育の1年目)からすでに皆の前で一人で発表をすることを経験してきているため、中学高等学校ともなると、大人顔負けのプレゼンテーションができる生徒もいます。そのような日常的な訓練をしているので、全校集会や卒業セレモニーなども生徒が中心となって司会進行を行なっているところもあります。
このように、古い慣習に流されるのではなく、常に斬新な教育改革に力を入れてるオーストラリアだからこそ、質の高い有意義な学校生活が送れるのでしょう!!