【体験談】日本では絶対経験できない宝の経験を積もう!! 日本語教師アシスタント
ワーキングホリデーのみなさんで、最近人気急上昇のプログラム、それが『日本語教師アシスタント』です。学期に合わせて一年に4回行っていますが、毎学期、2-3名の生徒さんが定期的に参加し、毎回、タームが終わるのが寂しい、毎日ほんとうに楽しい!!と、嬉しいフィードバックを頂いています。
日本語教師アシスタントプログラムとは、オーストラリアの現地小中高校(州立・私立)で日本語教師のアシスタントとして活動できるプログラムです。
今回は7月から1学期間、小学5年生から高校3年生までのクラスを担当された柴原裕さんの体験談です。
日本で数学の教師免許をお持ちの裕さん。日本語と数学の授業も教えていたようで、とても貴重な体験をされました。
日本で今後、数学の先生になる裕さんですが、今回、日本で教員になる前に、オーストラリアの現場をみてみたい!!という熱い思いをもって今回のプログラムに参加され、一生の宝となる経験を積むことが出来ました!!
みなさんも、ワーキングホリデーという一生に一度しか使えない制度を使って、素晴らしい経験と思い出を作ってみませんか?
体験参加の目的を教えてください。
日本で教師になりたくて大学で勉強していました。でも、自分の想像していた“先生”とはかけ離れていて、教師の仕事や状況を知れば知るほど正直、自分が本当に教師になりたいのかどうかも分からなくなってきました。もっと広い世界を見れば自分が本当にしたいことが見えてくかもしれないということで、この留学を決意しました。せっかく大学を一年間休学していたんだから、今自分が勉強していることと関係ある体験をしたいなと思っていた時に、留学センターのオフィスで「日本語教師アシスタント募集」という張り紙を見てすぐに「これだ」と思って申し込みをしました。
もともと日本でも国語が苦手だった自分が本当に教えることができるのかという不安や疑問はありましたが、オーストラリアの学校が見たい!!どんな授業をするのか見たい!!オーストラリアの子どもと関わりたい!!という思いで体験に参加しました。
参加してよかったこと、印象に残ったことはどのような事でしょうか?
まず、何よりも生徒がかわいいです。変な意味でじゃなくて、本当に純粋でかわいかったです。日本で教育実習に行った学校が大学の附属中学校ということもあり生徒も実習慣れしているから、あまり生徒が極端に近くに寄ってくるということはありませんでした。でも私の参加したカレッジでは慣れてくるとすれ違うたびに元気よく挨拶もしてくれるし、中には僕が教室に入った瞬間に生徒が集まってきて、「センセイー」と言いながら抱きついてくるようなクラスもありました(笑)。
日本の学校の生徒が擦れているというわけじゃないですが、こっちの生徒は本当に純粋で毎日笑顔が絶えません。お金がなかったので夜は日本食レストランで仕事をしながらこのプログラムに参加していました。正直、体力的にきついなって思ったこともありましたが、毎日本当に生徒からたくさんの元気をもらっていました。プログラムが終わった今でも彼らの生き生きとした笑顔は忘れることができません。
二つ目は、自分がしたいと思っていたことをすべて経験させてもらってやり残したことが一切ないということです。僕は数学の先生になりたいと思っていたのでオーストラリアの数学の授業を見てみたいなと思っていました。正直、参加の一番の理由もこれでした。そのことを正直に話してみると、数学の先生に交渉していただき数学の授業を見学することができました。また、最後の週には授業もさせていただきました。
中学校の数学の先生を目指しているということで8年生を対象に「日本語で数学の問題に挑戦しよう」という授業を設計しました。授業全体の構想からワークシートの作成、YouTube動画の選択などすべてを一人でやらせていただきました。どうなるか不安でしたが授業が終わった後に生徒から「とてもよかったよ」「また授業してね」という声をかけてもらえてとても嬉しかったです。日本ではめったに経験できない英語で授業をするというとても貴重な体験になりました。
参加された学校のどのような学校でしたか? またどのような生徒さんを担当されましたか?
僕が参加した学校はお金持ちの私立の学校でした。施設はとても整っていていました。パソコンのIDを発行していただいていたので、空いた時間に図書室のパソコンで調べ物をしたり、授業の準備をすることができてとてもよかったです。担当したのは5年生から12年生です。日本で言えば、小学校5年生から高校3年生までです。その中でも12年生の授業が半分くらいありました。10月の初めに会話の試験があるということで10人の生徒と空き時間を調節してひたすら練習していました。12年生くらいになると少し日本語が話せるので、英語が苦手だった自分にとっては小さい学年を教えるよりもよかったと思います。
体験中に受けたトレーニングや、今回のプログラムで習得したことはありましたか?
特にトレーニングを受けたりはしていません。カレッジでは日本であまりなじみのないIBというクラスがありました。IBとは国際バカロレア資格(International Baccalaureate)のことで、スイスの財団法人 国際バカロレア機構(Organisation du Baccalaureat International)の定める教育課程を修了すると得られる資格で、国際社会の一員として、異文化に対する理解力と寛容性を持ち、自覚と責任ある人格形成を行うこと、又、思考力・表現力に重点を置いた高い知的水準の達成を目標に掲げています。日本では一部のインターナショナルスクールでのみ認定されていて、自分もこっちに来るまでは全く知りませんでした。
自分が担当したクラスの中にはIBのクラスも1クラスだけ含まれていていました、やはり普通のクラスと比べるとやっていることのレベルが高く、自分の意見を表現できるようになることに重きを置いて授業が構成されているなという印象でした。
日本も国際社会になってきていて、政府も留学生の数を増やすように支援するということを言っていました。
IBについて何か習得できたかどうかというとそれはよくわからないけど、国際的に通用する人材育成に視点を当てた教育に携わり、観察し、肌で感じ取ることができたのはとてもいい経験になりました。僕もいつかはIB認定の学校で英語で数学の授業をし、世界中に生徒を送り出したいと思うようになりました。
今後はどのような道に進まれますか? また今回の経験を将来どのように役立てますか?
今は絶対に教員になりたいという思いが強いです。なぜなら生徒たちのあの純粋な笑顔を忘れることができないからです。生徒たちが楽しそうに笑っている顔をまた見たいという思いだけです。そして、今度は日本でも同じように生徒の笑顔を見るために、生徒を笑顔にするためにも教師になりたいと思っています。最終日にもらった寄せ書きには「今までで最高のアシスタントの先生だった」とか「先生がいなくなるとさみしい」などとてもうれしい言葉をもらいました。またタームの途中に行われた三者面談では、日本語選択者の親から「なぜ今のアシスタントはこのタームだけしか来ないんだ」や「先生と会話したいからって、息子が珍しく日本語を勉強しているんだ」という言葉もいただきました。もう本当にうれしい限りです。自分はただ自分の経験のためにやっていることなのに、こうやって自分のことを必要としてくれている人がいるんだなと思うとさらに嬉しくなるし、ちょっとばかり自信もつきました。
実は、この体験をする前、とても不安だったことがありました。それは言葉が通じるのかどうかということです。日本では大学入試のために英語を少し勉強しましたが、そのほかには特に何もしませんでした。こっちに来てからも語学学校に3か月通いましたがIntermidiateで卒業でした。本当に生徒とうまくコミュニケーション取れるんだろうかという不安のままスタートしました。実際始まってみるとやはりうまくコミュニケーションが取れません。自分の言いたいことが伝わらないし、何を言っているのかよくわからないという状況でした。
数週間たつと生徒も自分が英語をわかってないというのを理解してくれたようで、必死に理解しようとしてくれるし、僕が聞き取れなかったときはわかるまで何度でもゆっくり話してくれました。生徒のそんな姿を見ると自分ももっと頑張らないといけないなと思うようになりました。結局最後まで英語をうまく話すことはできませんでしたが、オーストラリアの子どもたちとコミュニケーションがとれてとても楽しかったです。
今回の体験でコミュニケーションで大切なのは“言葉”ではなく、“気持ち”だということに気づくことができました。言葉がうまく通じないからこそ気持ちを最大限に生徒と近づけて話をした。生徒もそれに応えてくれた。日本にいるときは当たり前のように言葉が通じるから、言葉のやり取りをしてるだけでコミュニケーションだと思っていたけど、コミュニケーションの本質はここにあると思いました。『一人ひとりの気持ちを大切にする教師』になる、ならないではなく、一人の人間として大切なことに気づけたと思います。
この体験内容を、友達にも勧めたいと思いますか?
はい、勧めたいです!!正直最初は高いなと思いました。手配費以外にも、準備する書類がありましたので、合計で1000ドル(日本円で約9万円【1ドル=90円計算】)近くかかりました。でも今思えば、そんなに高くないかと思います。日本で10万円払ったからと言って体験できることではないですし、何より、今回のキャンパスに配属されてなかったらこんな楽しくて充実した2か月を過ごすことはできなかったと思います。
オーストラリア留学センターの皆さんには本当に感謝しています。結局最後までローカルで仕事をさせていただいたのにそんなに英語が上達しなかった自分が伝えることなどあまりないと思いますが、しいて言うなら「日本で教師を目指している人には絶対挑戦してもらいたい」ということです。
これは日本語の先生になるとか英語の先生になるという問題ではなく、日本の教育現場とオーストラリアの教育現場に違いを見ることができるからです。どちらの国が教育水準が高いとか低いというのではなく、両方の現場を見てその違いを知ったうえで教育するというのは大切なことだと思うし、そうすることで日本の教育ももっともっとよくなると思います。
スタッフより
日本で教師をやる前にオーストラリアの教育現場を見てみたいという想いでこの「日本語教師アシスタント・ボランティア・プログラム」に参加された裕さんですが、すでに3年経った現在では日本の中学校で立派な数学の先生となって活躍されていらっしゃいます!
現在は、中学3年生で担任クラスを持ち、野球部の顧問としても充実した日々を過ごされています。
裕さんもおっしゃっていますが、日本で教師をしていた方や今後目指されている方には是非お勧めしたいプログラムとなりますので興味がある方はいつでもお問い合わせ下さい!